本学の女性事務員さん(仮にAさんとしておこう)から携帯に電話が入った。彼女の自宅に不信な葉書が届いた、というのだ。とりあえず、最初の方を読み上げてもらい、即座に「架空請求です」と答えた。一通り音読してもらった後、彼女には「無視して下さい」と伝えた。これが12日の夜のこと。
今日、学校で、件の葉書を受け取った。ツッコミどころ満載で、どう考えても頭の悪いクズ共の仕業としか見えない。現物はコレ。
まず最初に、差出人の「法務局認定法人 民事訴訟通達管理機構」という名称でググってみた。すると出るわ出るわ。都道府県の消費者センターや警察、そして法務省まで、架空請求業者としてリストアップしている悪名高い連中である。ただ、この「民事訴訟通達管理機構」という名称は、比較的最近使われ始めたようだ。
さて、葉書の内容だが、
民事訴訟最終通告書
訴訟の通告ってなんだろう。
訴訟番号
多分、事件番号のつもりだな。
平成17(ル)第6051号
「年」が抜けているのは、馬鹿だからか、それとも葉書の横幅に収まらないから消したのか。符号(ル)は財産権に対する強制執行事件か。すると債務名義は?。訴訟法と執行法の区別は、まぁクズ共には無理だろう。
消費料金
知ってる漢字を無駄に並べるのは止めたほうがよいと思う。
契約会社、運営会社から民事訴訟として、訴状の提出をされました事を
法律の用語は難しいといわれているが、所詮は日本語。せめて「訴状の」ではなく「訴状が」としてほしいものだ。
裁判手続きを開始させて頂きます。
どうぞ。御随意に。
このままご連絡なき場合には原告側の主張が全面的に受理承諾され
正式な訴状が送達され、裁判所が定める期日までに答弁書を提出しない場合には自白と看做されるが、そんなことは詐欺集団のクズ共の知ったことじゃなかろう。
執行証書
債務名義の種類を知っているなら、事件番号の符号も確信犯かな。
給料差し押さえ
本学の給料ではちょっと無理じゃ(あわわわわ・・・・)。
履行させていただきます
履行というのは、債務者が債務内容の給付を行うこと。クズ共よ、お前たちは債権者のつもりなんだろ?
受け賜って
× → 承って
プライバシー保護の為
親書にあたらない葉書を送りつけておいて戯けたことをぬかすな。
最終通告とさせて頂きます
ぜひそうしてもらいたい。馬鹿がうつりそうで嫌だ。
最終期日 平成18年1月13日
送りつけられた相手方を慌てさせるための常套手段。
法務局認定法人 民事訴訟通達管理機構
法務大臣が許可した債権回収会社なら存在する。貴様らは、全国的に詐欺組織と認定されている。
0120-049-688
フリーダイヤルは、初期費用1,000円、月額基本料1,000円で使えるそうな。NTTもこんな形で悪用されるとは思わなかっただろう。国際電話でこれが繋がったら、非常に愉快なことになるのだが。
東京都千代田区鍛冶町1-4-16
神田駅近くのガード沿いかな。
昨日の電話でAさんは「法律に詳しくないと、やっぱりびっくりしますよね」と語っていた。ひところ、世間を騒がせた「振り込め詐欺」等があまり報道されなくなったと思っていたが、馬鹿なクズ共は浜の真砂と同様、尽きることがないらしい。こういった架空請求は、そもそも全く根拠のない不正不当なものだから、「完全に無視」するのが唯一の対応である
*1。もし電話などすると
*2、今度は電話で脅迫的な取り立てが繰り返され、不愉快を重ねることになる。以前に出まわっていたこの手の葉書やメールには、振込先として個人名義の口座が記載されることが多かったが、高い金を出して買った仮名口座もすぐに潰されるから、振込先を指定せず、電話をかけさせて番号をつり上げる手口に変わったようだ。
さて、このクズ共の罪責だが、葉書を無視したことで何等損害が発生していないため、詐欺の未遂ということにしかならない。でも、最寄りの警察に届けておくのが良いだろう。
この手の詐欺に関する情報を収集、公開して被害防止に努めている「夢なら」というサイトが大変参考になるので、興味のある方は覗いてみてほしい。