敵国からの荷物

周南のマツノ書店から楽しみにしていた荷物が届いた。中身は、的野半介『江藤南白 上・下』他。マツノ書店は古書店だが、維新期史料の復刻に力を入れていて、今日では入手が困難な貴重史料を多数、世に送っている。土地柄、西軍関係の文献が圧倒的だが、『旧幕府』や『会津戊辰戦史』など、幕軍関係のものも含まれており、幕末維新に興味のある研究者なら、一度はお世話になったことがあるのではなかろうか。

今回復刻された『江藤南白』は、いうまでもなく、我が国司法制度の近代化を強力に推し進めた初代司法卿江藤新平の伝記である。江藤に関しては、毛利敏彦氏の一連の業績があり、特に『江藤新平』(中公新書)などは、容易に入手でき、かつ充実した内容を持った、江藤研究の定番でといえるものであるが、的野の『南白』は、極めて江藤寄りのスタンスで書かれているという点を考慮しなければならないとしても、江藤の事績を考える上では絶対に触れねばならない基本書である。

院生のころから、何度となく図書館から借り出したこの文献を入手したいと思い続けていたのだが、古書店の目録で目にすることも希で、今日まで書架に並べることがかなわなかった。その文献が復刻された。扱いに細心の注意を要する古書ではなく、箱入りの新本として入手できたのだ。

通常なら、必要な部分だけを抜き読みする類の文献だが、これだけは全巻を通読しようかと企んでいる。

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