『ウィーンの冬』


ウィーンの冬

ウィーンの冬 春江一也
集英社インターナショナル

静かな美しいプラハの市街は一夜にして,硝煙と戦車の走る轟音と学生のシュプレヒコールに包まれてしまった。いつも微笑みを忘れなかったドゥプチェックは何処へ行ったのか。チェッコ・スロヴァキアは自らの統制力を失った。変わらないのは,ヴルタヴァの静かな流れのみである。

ワルシャワ条約機構軍に蹂躙されたプラハから、日本の外務省にあてて発せられた公電は、事態の深刻さとは裏腹に、あまりにも詩的であった。

この公電を発した書記官が、後に春江一也というペンネームで『プラハの春』を、続いてベルリンの壁崩壊を軸に『ベルリンの秋』を発表したことは記憶に新しい。史実と、外交官という特殊な立場での知見を下敷きにした両書は、未だ歴史として定着する以前の出来事を見事に活写し、かなり不得手な東欧史への興味を掻き立ててくれた。
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小ネタ2

しばらく前、ここで何度か取り上げているスラッシュドットジャパンの記事で初めて知ったのだが、ポッドキャスティング(Podcasting)という音声・映像伝送方式が流行っているという。iPodを始めとする携帯音楽プレーヤーの劇的普及で、手持ちのCDをリップするだけでなく、ネットからコンテンツを入手するというチョイスが広がっているようだ。

で、私が興味をひかれたのが、この「ぽっどきゃすてぃんぐ落語」。二つ目の若手落語家が、古典をやっている。いくつか聞いてみると、なかなか良い。名人上手が練り上げた新作も面白いが、「八つぁん」「熊さん」が長屋から出てきてくれないと、どうも情緒に欠けるような気がしていけない。まして、落語家が背広を来て、落語とは無関係の話しをするのはもっといけない。笑わせることが仕事なのに、笑われては落ちの付けようがないというもの。

この「ぽっどきゃすてぃんぐ落語」に登場する若手は、まじめに芸を磨いているように見受けられる。勿論、噺を聞きたいときにタダで聞けるのは何より有り難い。所作が見られるビデオ版もあり、落としたファイルをちょちょいとひねって、携帯(W32S)に入れてみた。バッテリーの持ちが気になるが、ちょっとした空き時間に楽しむことができそうだ。

勿論PCからも視聴できる。気に入らなければ止めればいいのだから、一度試してみてはいかがだろうか>とんでもない時間に職場にいなければならない諸賢
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