降る雪や

スラッシュドット ジャパン記事で紹介されたニコンのプレスリリースによると、同社はフィルムカメラについて、
大判カメラ用レンズ、引伸し用レンズにつきましては全品の生産を終了し、在庫がなくなり次第販売を終了いたします。また、フィルムカメラボディー、マニュアルフォーカス交換レンズ、その関連アクセサリーにつきましては一部を除き生産を終了し、在庫がなくなり次第販売を終了いたします。
と発表し、銀塩カメラからの事実上の撤退を明らかにした。

ニコンは言うまでもなく世界に冠たるカメラ、レンズメーカーであり、Fシリーズの筐体、ニッコノールレンズ群は、我が国写真史に不滅の光明を放ち続けると思っていた。大判カメラ用レンズ、引き伸ばしレンズがなくなることで、ハイアマチュア以上のユーザーの選択肢が大幅に狭まり、暗室での作業は歴史の彼方に消え去っていく。

かつて、部屋中に目張りをした上でセイフティーバッグの中でパトローネを開いたこと、温度計とストップウォッチを睨みながら引伸ばし機を操作したことも懐かしく思い出される。しっとりとした質感が大好きだったイルフォードの印画紙も、既に手に入らなくなった。

視力の極端な低下のせいでマニュアルフォーカスを諦めた、パソコンのスキル向上に伴い電子的処理を選択した、そしてそもそも根っからのキヤノンユーザーである自分ではあるが、カメラメーカーの巨人、日本光学の今回の決定には一抹の淋しさを禁じ得ない。

明治は遠くなりにけり(草田男)
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