2007.12.27 木曜日 22:45
続々・オーディオ機器を作る
エレキットのアンプは、半田ごてさえ使えれば、本当に誰でも作ることができると思う。よく考えられた製品で、作り易いだけでなく音質も優れているから、真空管アンプの自作に挑戦したいという向きには第一のお薦めだ。もっとも、プリント基板への半田付けは細かい手作業だから、この点だけは事前に練習したほうがよい。
だが、比較的容易に高い完成度を狙えるプリント基盤使用のキットは、いくつ作っても回路の勉強にはならない。極論すれば、回路図を一切読めなくても、親切なマニュアルと基板上の印刷を頼りに部品を取りつけていけば、完成させることができる。これはこれで、「作る楽しみ」と「完成させる満足感」、そして「使う喜び」を体験できる貴重なしくみ、仕掛けなのだが、どうも物足りなく感じるのも事実。古典的な真空管アンプの作法、「手配線」こそ漢のアンプという気がしないでもない。
ケースの内部に見えるソケットやトランスの端子をうまく使い、足りないところは最小限のラグ板を固定し、スズメッキ線や色分けしたリード線で、まさに理路整然と配線していく。理路整然じゃないと、見た目が悪いだけじゃなく、かなりの高確率でノイズを拾い、最悪、アンプとして使い物にならなくなる。プリント基板よりはるかに難しいことは間違いないが、難しい分だけ余計に挑戦する価値がありそうだ。
プリント基盤タイプには、それなりの自信がある。が、手配線は未経験だから、とにかく作って経験値を上げなければ始まらない。
で、夏休み開けが締切の面倒な仕事が片付いた10月のある日、秋葉原の春日無線が出しているこんなキットを取り寄せてみた。穴あけ加工済のケースとパーツ一式、それに親切な説明書がすぐに届いた。6BM8というテレビ用の複合管をchあたり一本使った小さなアンプ。回路図を熟読し、実体配線図でイメージを固めてから作製にかかった。部品点数が少ないので、初めてでもなんとか組み立てられる。4時間弱で完成し、わくわくしながら通電するが、音が出ない。慌ててコンセントを抜き、回路図と自分の配線を見比べるが、原因が分からない。するととたんに疲れが出て、その日の作業は打ち切りに。翌朝、コーヒーを飲みながら自分の配線を再度チェックして、ガックリきた。アース回路で二ヶ所、半田付けをしていなかった。これでは動くはずがない。ササッと半田付けし、改めて試運転。アルテック404-8Aから、きれいな音が出てきた。ノイズは全く聞こえない。「慣らし」に時間のかかるロシア製の真空管だから、最初は薄っぺらくて色気のない音だが、見る見るうちに音の透明度が上がっていく。部品配置など、とても恥ずかしくて写真も撮っていないが、初めての手配線はなんとか成功し、魅力的なサブアンプが完成した。
だが、比較的容易に高い完成度を狙えるプリント基盤使用のキットは、いくつ作っても回路の勉強にはならない。極論すれば、回路図を一切読めなくても、親切なマニュアルと基板上の印刷を頼りに部品を取りつけていけば、完成させることができる。これはこれで、「作る楽しみ」と「完成させる満足感」、そして「使う喜び」を体験できる貴重なしくみ、仕掛けなのだが、どうも物足りなく感じるのも事実。古典的な真空管アンプの作法、「手配線」こそ漢のアンプという気がしないでもない。
ケースの内部に見えるソケットやトランスの端子をうまく使い、足りないところは最小限のラグ板を固定し、スズメッキ線や色分けしたリード線で、まさに理路整然と配線していく。理路整然じゃないと、見た目が悪いだけじゃなく、かなりの高確率でノイズを拾い、最悪、アンプとして使い物にならなくなる。プリント基板よりはるかに難しいことは間違いないが、難しい分だけ余計に挑戦する価値がありそうだ。
プリント基盤タイプには、それなりの自信がある。が、手配線は未経験だから、とにかく作って経験値を上げなければ始まらない。
で、夏休み開けが締切の面倒な仕事が片付いた10月のある日、秋葉原の春日無線が出しているこんなキットを取り寄せてみた。穴あけ加工済のケースとパーツ一式、それに親切な説明書がすぐに届いた。6BM8というテレビ用の複合管をchあたり一本使った小さなアンプ。回路図を熟読し、実体配線図でイメージを固めてから作製にかかった。部品点数が少ないので、初めてでもなんとか組み立てられる。4時間弱で完成し、わくわくしながら通電するが、音が出ない。慌ててコンセントを抜き、回路図と自分の配線を見比べるが、原因が分からない。するととたんに疲れが出て、その日の作業は打ち切りに。翌朝、コーヒーを飲みながら自分の配線を再度チェックして、ガックリきた。アース回路で二ヶ所、半田付けをしていなかった。これでは動くはずがない。ササッと半田付けし、改めて試運転。アルテック404-8Aから、きれいな音が出てきた。ノイズは全く聞こえない。「慣らし」に時間のかかるロシア製の真空管だから、最初は薄っぺらくて色気のない音だが、見る見るうちに音の透明度が上がっていく。部品配置など、とても恥ずかしくて写真も撮っていないが、初めての手配線はなんとか成功し、魅力的なサブアンプが完成した。
