縁なき衆生

「言論の自由」とは有り難い。こんな駄文を書き散らす自由も、国家の行く末を左右する妄言を吐く自由も、等しく認められる、と思っている輩が多すぎはしないだろうか。地位、身分が高くなればあたかも累進課税のように、言葉に対する責任も重くなるはずなのに、この国では、首相からして言葉が軽い。

前空幕長の論文とやらも、圧倒的な不景気の前に、もう忘れられたかと思ったが、当のご本人が騒いでいた。今日の読売(甲府で宅配される)13版35面に、小さなベタ記事が載った。"ご高説"には納得できる点もないでもないが、問題の文章は全く考証不十分。だが問題は、なぜ彼が職を免ぜられたか、既に語られなくなってしまったことではなかろうか。

彼が階級章を返上し一民間人になった後なら、かつての古巣の仲間のため、国論を変えよと主張しても構わない。だが、国内で最強の実力を持つ集団の長が、政府と意見を異にすることを公言して恥じないというのは、論外だ。彼が恋い慕う旧軍においても、それは本来許されざる抗命のはずだったが、軍はやがて統帥権という化け物を操り、国を滅ぼした。「実力」と「政治」を分離しなければならないという、当然の原則に背いたことが罷免の理由だ。実力集団が自分たちの思想で政治を壟断した結果は、もはや語る必要すらなかろう。文民統制は近代国家の大原則として堅持されねばならない。

ところで今日の読売の同じ35面に、「山本五十六の直筆「遺書」や作戦書、堀元中将の孫宅から発見」という記事が載っていた。そのなかのこんな一文に目がとまった。
日独伊三国同盟締結前年の39年5月31日付の述志には、「此身滅すへし此志奪ふ可からす」(自分の身が滅びようとも自分の意志はだれも奪えない)などとつづり、三国同盟に反対の決意を表明している。
山本は「名将」と讃えられる人物だが、名将だから、日本を泥沼に引き込んだ同盟への反対だから、といって、今日の文民統制原則に照らせば許されないことだ。

今日の35面には、なかなかに深いものがあった。

もう?、まだ?

疲れた。とにかく疲れた。忙しすぎるのだ。同僚がみな例外なく、「忙しい」といっては疲れた表情を見せるが、私の場合、秋からこっち積もり積もった各種業務が、ボディブローのように効いている。

カレンダーを見ると、今年ももうあとひと月しかない。毎年のことだが、まだ片付いていない仕事がある。そう簡単に年に変わられては迷惑だ。大河ドラマの最終回が近づくと、殊更そう感じる。だが体力は半月くらい前には切れている、そんな感じもする。まだひと月もあるのか、と思うと目が回る。

この週末は、結局甲府の自宅に引きこもり、ひたすら休養した。娯楽のための読書もたいして進まず、昼日中から半分眠っているような、そんなだらけた週末を過ごし、幾分かは元気がたまってきたような感じだ。

このところ、立て続けにおいしい干物を頂いた。鮮魚に飢えていることを知っている関係者が、気を遣ってくれる。生とは違うが、干物には干物の絶妙なうまさがある。ありがたいことこの上ない。昨日は寒干しの「さんま」が届いた。脂はかかっていないが、干したことで旨味が凝縮したようだ。旨いものを食べ、さらに少し、元気がたまった。

今日の甲府は一日中快晴。リビングの窓から見える富士山が神々しい。
運がいいと、もう少し赤くなってくれるのだが、今日はここからすっと暗くなってしまった。そこで南西に目を転じると、猫の爪でひっかいたような月が。設定を変えるのが面倒で露出優先にしていたら、暗くなって露光時間が長くなった。すると、(私の)肉眼ではどうがんばっても見えない「影」の部分が見える。露光時間が延びたために像が流れ始めている。デジカメとは楽しいものだと改めて思う。

ゼミ「復活」

・「景気が悪い」とか「世知辛い」とかを通り越した、背筋が寒くなるような世の中になってしまったのだろうか。ネットには、匿名をいいことに「テロ」を賞揚するような書き込み、また犠牲者を出した役所には脅迫めいたメールがあふれているという。世も末だ。倉廩実ちて礼節を知るのは当然としても、足らざるからといって人倫を忘れるのはあまりに情けない。

・それにしても、好景気の終焉、長引く不況、失業・貧困、テロといった、「いつか来た道」が見えるのはどうにも気持ち悪い。そのときの「道」を決定付けたのは、とある大臣の失言だったか。


新ゼミ四期(実質二期)の募集が始まり、昔のように現役メンバー諸君と会合を行った。「個性的な少人数」が実現するかはまだ未知数だが、かなりよい感触がある。ゼミは私が主催するとはいえ、ゼミ生諸君が主役だ。舞台を作るところから責任を持ち、「自分のゼミ」という意識を強く持ってほしい。

今週はこのほか、目が回るくらい用事が多い。そして週の頭に、ゼミ3年のI君が、大荷物を研究室に持ち込んだ。彼が1年がかりで立案した「パソコン自作計画」を、ついに実行に移すというのだ。PCわを使うことに抵抗はないが、「作る」のは全く初めてのI君の「後見」が私の役目。

I君は今日、講義の合間、面談の隙間を縫って組み立てに挑んでいたが、まだまだ技量は不十分。起動すらしない鉄の箱を作ってしまい、あえなく解体。改めて私が仮組みし、パーツに異常がない(要するに組み立て方がなっていなかった)ことを確認したところでタイムアップ。完成はおそらく、来週半ばになりそうだ。

ゼミ生主体のゼミ運営。研究室でパソコンと格闘するゼミ生。かつての闊達そのものの若者たちの姿が目に浮かぶ。いまの若者たちも、負けないくらい闊達だ。わがゼミは、きっと復活する。

週末は甲府にいます

またしても間が開きました。だいたい忙しいときに限って忙しさを倍加させるようなことが起こるものです。そのうえ、ここひと月で二度ほど会津に戻りました。今のところ落ち着いているようですが、もうヘトヘトです。

こんな背景があり、疲れていると感じるのに眠りが浅いイヤな感じが続いて困っていたのですが、今日、ふと思い立って、歩いて研究室まで出かけてみました。天気もよく、鞄もさほど重くないので、「えいやっ」と歩き出してみたのですが、手軽で気持ちよい散歩ができることに気づきました。

行きは、(車で)走ったことのない細道を通って遠回りしてしまいましたが、帰りは至って順調。天候が悪くなければ、週に何度かは車を使わずに通勤しようかと本気で思います。街場に住んでいた頃は、当たり前に歩いていたのですが、加賀に移ってクルマで通勤するようになってからは、本当に歩かなくなりました。軽い運動でも血の巡りがよくなるような気がして、閉塞感を流し去ってくれれば、と都合のいいことを考えています。

(今日現在の「予定」ですが)この週末は甲府にいます。御用の方はまずメールでお問い合わせくださいませ。

牛乳よ、お前もか?

バナナが好きだというと、よく馬鹿にされた。珍しくもなく、極端に糖度が高いわけでもなく、至って安価な果物で、あえて「好きだ」というほどのものではない、と、見られているのだろう。だが、手っ取り早い炭水化物摂取法として知られ、歴史上の知識として、病気にならなければ食べられない貴重品だった過去もある。

ところが全国的なブームのせいで、ここ甲府でも「品切れ」「品薄」が続いている。型がよく、味も濃厚な「高級品」には、とんとお目にかかれなくなった。急激な需要に対応しようにも、何分輸入品だから、今日明日に流通量を増やすわけにはいかない。納豆の悲劇も記憶に新しいから、関係者も判断に困るのではないだろうか。

そんな折から、こんなニュースを見た。これはかなりマズい。今年の上半期、バターの品薄を解消するため、メーカーや農協が原乳の増産をもとめようとしても、乳牛の処分を含む減産を実施した後だったので、酪農家を怒らせるだけだったとか。この上「ダイエット」などという甘美な冠が乗ってしまったら、とんでもないことになるかもしれない。朝食にバナナ牛乳を飲むのが流行り、一気に品薄に陥ったらどうしよう。好物の低温殺菌牛乳や、脂肪分の高い加工乳が買えなくなったら非常に寂しい。

ただ、私の体型は、バナナとも牛乳とも無関係だと断言できる。

暮れてもオーディオ機器を作る

もう恐慌寸前という市況を眺めると、歴史系研究者の常というか、1920年代の知識を引っ張り出してはため息を。このままでは小遣いが減ってアンプ作り計画に齟齬が・・・バキッ!!☆/(x_x)

昭和の金融恐慌は、時の大蔵大臣の「失言」が引き金になりました。財政、金融当局は、どんなに非難されてもオプティミストのふりをする必要があるかもしれません。些細な気配の悪化が、とんでもない事態を呼んでしまいますから。せめて歴史に学びましょう。


6B4Gシングルアンプを作る(その2)

回路を考える、といっても、ずぶの素人の悲しさ、ネットや本を眺めては、自分でも作れそうな難易度かどうかを基準に、使ってみたい「部分」を集めることに終始した。並行して、秋葉をはじめ、各地のパーツショップをネットで巡回しつつ、良さそうなパーツを物色する。選択基準はやはり価格。在庫があって待たずに手に入れられることも重要だ。ここで長期間待たされては、気合いが空回りしてしまう。

さて、回路だが、とりあえず信号系と電源系を分けて考えてみることにした。参考にしたのはネットで公開されている作例のほか、教科書兼参考書として、松並希活『直熱&傍熱管アンプ』森川忠勇『オーディオ真空管アンプ製作テクニック』をじっくり読み込んだ。森川氏の回路で紹介されているグリッドチョークを、氏のショップ「オーディオ専科」で購入することにした。また、松並氏の本からは、ヒーターバイアスの理屈やプレート損失の考え方など、大事な基礎を勉強した。両書とも、カラー写真付の作例が非常に参考になる。

電源部は、π型平滑回路でリップルを取るという方針が決まった。そこでまず、PSU Designer IIというフリーソフトで、フィルタの効き具合と電圧降下のバランスをみることにする。現実に組み立ててみないと所定の電圧が取れるかどうかわからないが、リップルの具合はグラフで見ることができてありがたい。

信号系は、本での勉強に続いて、Spiceで電圧や抵抗を弄ってはシミュレート結果を比較してみる。そしてグリッドチョーク結合の第二案を得た(ちなみに第一案はふつ〜のCR結合だった)。

これをもとに電源を再検討し、パーツの発注へと進もう。
(回路図作成には、水魚堂さんの「回路図エディタBSch3V」を使わせていただきました。)

明けてもオーディオ機器を作る

熱波が去り、晴天の日中でも日差しが心地好く、パソコンラックに仕込んだ小型アンプの輻射熱も苦にならない、良い季節になりました(^―^) 。ところが、待ちに待った「自作の秋」を満喫するつもりが、なんやかやと仕事が追いかけてきて、思うに任せません。

先日、教科書の段取りなどの相談に、学内の○善に行った時のこと。書籍プロパー(と思しき)スタッフ女史と、時間的に厳しい販売スケジュールや献本など、いくつかの確認事項をサクサクと片付け、それじゃあ研究室に戻るか、と歩きかけたところで、陳列棚に珍しい雑誌があることに気づきました。季刊『管球王国』。今年の夏に出た本です。表紙が見えるように置かれていますが、誰か手に取った気配もありません。

件の女史に、「こんなもの、買う人いるの?」
その本をチラ見した女史「いませんよ〜、こんなぁ( ̄ー ̄)。時々入ってきちゃうんですよねぇww」
売れないものが入荷しちゃっていかにも迷惑って感じで答えた次の瞬間、そう問いかけたのが私だと気づいた女史「え、いやっ、その、先生のご趣味を考えて入れさせていただきまして・・・・、すいませ〜ん」

あまりにもベタな展開で暫し爆笑。「一冊貰ってくよ」
女史「ありがとうございます。ほんと、すいません。あせあせ」
にっこり笑って「三月ほど祟るね」
女史「せんせ〜(ToT)」


6B4Gシングルアンプを作る(その1)

春まだ浅い3月。初の自作となったトランスプリに気を良くして、次のターゲットに、ロシア球屋のFさん絶賛の6C4C(以後は元になったアメ球の「6B4G」に統一して表記)でシングルを作ることを決心した。6B4Gは、オーディオ球としていまだに人気の高い(ロシアや中国などでは生産が続いている)2A3のフィラメントを、使いやすい6.3Vに上げたもの。比較的遅い時期に製造された球が多く、高い真空度が保たれていて状態が良い等々、書籍、ネットの記事などから蘊蓄を吸収しまくる。

続いてお手本となる作例集め。2A3シングルの作例は非常に多く、6B4Gシングルもかなり作られているようだ。この球をシングルで使うと、出力はチャンネルあたり3W程度と、手持ちの半導体アンプの100W+100Wと比べると、見劣りするどころの騒ぎじゃないが、シンプルな二段増幅でも無理なく完成する。初段、整流管もFさんから買った6SL7、5U4Gと決めているから、他の球による作例はとりあえず外しても、随分沢山のお手本があって有り難い。

だが、第一作の328互換トランスプリのように、完成した回路をまるっきりコピーするのも面白くない。とはいえ、設計できるほどの知識は当然にない。ならば切り貼り、つぎはぎなら何とかなるのではないだろうか、と、作例の数々を眺めては、思いにふける。切った貼ったにも相応の知識が必要で、理屈が足りないところはSpiceでシミュレートを繰り返し、理論上動くことを確認する。

初段は6SL7のSRPP、誰でもできるCR結合だが、出力段のグリッド抵抗には「グリッドチョーク」を使ってみよう。バイアスは勿論自己バイアス。このあたりまで考えが纏まって、パーツの物色にかかる。今回もネット通販だけですべての部品を集めることにして、以前使ったショップ、初めてのショップなど、あちこち見て回る。すると予定外のパーツが見つかったりして、回路にも変更が出るが、こんな変更なら大歓迎。

作り始める前、というかお金を使い始める前の、この構想段階(妄想?にちょっと具体性の粉をかけた程度)が一番楽しいかもしれない。

囚人のジレンマゲーム

「囚人のジレンマゲーム」(よく分からない方はこの辺で。)

今朝、米下院の「金融安定化法案否決」というニュースを聞いて、こんな言葉が思い浮かんだ。大統領の与党である共和党が造反したという。親子揃って中東の砂に足をすくわれるのも愚かしい話だが、なんといっても重要なところで決断できないリーダーは、有害だ。

しかしこのエントリでは議会の対応を考えてみよう。いずこも同じだが、最適解を導くのは容易ではない。共和党の下院議員は、見えない共犯者の裏切りに脅え、ジレンマゲームよりも簡単な二択で最適解を掴まなかった。自国発の世界恐慌を恐れてくれることを全世界から期待されながら、直近の選挙で支持層から見放されることを恐れ、取り返しのつかない愚行に走ったことは、長く歴史に残るだろう。目先の選挙での支持を求め、逆にその支持層を長期的不景気、失業の嵐に突き落としたことに気づくのに、何日かかるだろうか。その間、世界の経済は何年分余計に傷つくのだろうか。自律的回復のための余力があるうちに、間違いは正されるだろうか。

国内に目を転じると、国内景気の危機的状況を知ってか知らずか、景気対策、経済対策よりも党利、党略という言葉の方が幅を利かせている。国民生活に直結する、否、死活問題とも言うべき大問題を無数に抱えたまま、実りのない巧言令色を弄し、自分と所属政党の利益に走るならば、彼らを国会に送った国民へのダメージははかり知れない。

醜い罵り合いは、国の経済が持ち直し、国民が明日に不安を抱かなくてもよくなってから、どこか絶海の孤島にでも篭って、どちらかが倒れるまで続ければよい。

最悪の解ばかり選ぶものに、国民に選ばれる資格はないのだ。

大慶至極

M(この辺この辺参照)に待望の男児誕生の知らせが!。ただでさえ細いところにつわりで激痩せしたと聞いていたから心配していたのだけれど、2700gの元気な男の子だという。

Mは「嫁に出した娘」だが、いろいろあって気分は内孫誕生。明日、OG会の筆頭「瀧山」から写真が届くのを楽しみに待つことにしよう。

気分は「降る雪や・・・」

新学期ということで、気味の悪い忙しさが続いています。自分の責任で処理しなければならない用務の量は、前任校時代の数倍のスケールで、"こなす"のが精一杯。ゆとりをもって前倒し、なんて芸当は、当分夢の中のお話しです。

明日は夏休み中に一度もできなかったゼミの行事です。都内数ヶ所で新撰組ゆかりのポイントを見て歩く、というゼミ生主体、というか徹頭徹尾ゼミ生の自主活動についていきます。このイベントが上手くいけば、都内の博物館など、集団で見学に行くことも視野に入ってきます。



今さらながら、秋葉は好きな街です。ひたすら安価な卸屋、バッタ屋関係。何でも揃う巨大店舗群。やたらマニアックな品揃えの専門店。間口3尺とか1間のディープな小店。こうした魅力溢れる店々が、あるいは時代の流れに抗しきれず、あるいは後継者を得られず、ひっそりと退場していくのは、あとからそれに気づいて愕然とするものですが、名のある大店が消えるということになると、情報がすぐに伝わるのでショックも激しくなります、

このへんとかこのへんによると、「でっかい電気の石丸」が、エイデンに吸収されることになったとか。HMVやタワーが幅を利かせる前、都内で輸入CDを買おうと思ったら、迷わず石丸でした。新作も、決して爆発的なヒットにはならないクラシックも、LDを買う時は石丸でした。小店を探して珍しい製品をゲットする気力がなければ、石丸で店員に尋ねました。

LAOXザコンがなくなった時、PCパーツの旧製品入手は諦めるしかないと悟り、サトームセンが消えた時は、石丸よりちょっと安く買うことが出来なくなったと諦めました。でも石丸のショックは比較になりません。店名は残るようですが、かつての品揃えを期待するのは無理でしょうね。

昭和は遠くなってしまったようです。
calendar
<< 睦月 2026 >>
SunMonTueWedThuFriSat
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
selected entries
categories
archives
recent comments
recent trackbacks
profile
others