今年も年の瀬

二日間雪が続き、外に出たくない気分になる。それでも必要な買い物や、家の内外の雑事をポツポツこなしながら、金沢で用意した機械の準備も整った。

一年前、実家にずいぶん前からあるアンプが故障した。セレクタやトーンコントロールは生きているが、イコライザがダメになってしまったため、結構な数があるLPを再生できない状況が続いていた。そこで、ガキのころから憧れていた真空管アンプ導入に踏み切った。選んだのは、TU-875というプリアンプのキット。フォノイコライザとラインアンプを双三極管3本とFETで組んだシンプルな構成で、上手く作ればノイズレベルの低い温かな音が期待できそうだ。

キットが届いたのは定演前だったが、さすがに作る時間はなく、定演後のある日曜日、半田ごてと、こて先クリーナーを新調して一気に作った。ネットで見ると、メーカーのページでは『10時間』、製作したユーザーのページを検索して回ると『7時間』『6時間』などの所要時間が。器用であることを唯一の取り柄と自認する以上、もっと短時間で仕上げなければ男が廃る(?)。ということで回路図と実体配線図をよくよく読み込み、間違ってはいけないカラー抵抗の区分けなど、イメージトレーニングを十分にしておいた。

いざ取り掛かってみると、(視力のせいか)抵抗の色が見難いことを除けば、技術的に難しいところは全くなく、久しぶりの本格的な半田付けも10分もしないうちに昔のカンが戻ってきて、面白いように(実際面白いのだが)進んでいく。結局一ヶ所の間違いもなく、シャーシへの仮組みが終るまで4時間半。まだまだ衰えてはいなかった。もっともプリント基板への半田付けが大半だから、本当に簡単。金沢にはアナログプレーヤーを置いていないので、唯一可能なラインアンプのテストもあっさり終り、つまみの組み付けに必要な六角レンチ(何故かすぐになくしてしまう・・・)を買ってくる時間を除き、5時間で完成した

帰省して、荷ほどきが済んだらすぐに、アナログプレーヤーと既存のアンプの間に持ち帰ったプリアンプを繋いでエイジング開始。真空管はある程度の時間通電してやらないと、本来の性能を発揮してくれない。2時間ほどして音(視聴に使ったのはクーベリック、バイエルン放送響の「真夏の夜の夢」)を聞いてみると、「なんじゃこりゃ?」。いいかげんなアースの引き回しにしてはノイズが少なくて良いのだが、音はキンシャンして薄っぺらい。試しにグレン・ミラーのモノラル版をかけてみると雰囲気タップリだから、周波数特性が全然ダメということ。初日は6時間のエイジングで打ち止め。翌日、更に10時間以上エイジングを続け、また視聴してみると、明らかに音が変わってきた。音の粒立ちがくっきりとして艶があり、中域の膨らみも出てきた。でもソロ楽器は良いが、オケのTuttiは定位性もなくいただけない。そして今日、更に10時間のエイジングで、ほぼ理想的な音になった。弦パートの合奏もしっかりと定位し、低音から高音まで艶やかで伸びがある。室内楽、ピアノコンチェルトなどいろいろなソースで試したが、「温かい」と表現できる音が伸びやかに響くようになった。

明日、大掃除を仕上げたら、ベーム晩年の第九のLPを楽しむことができそうだ。新年の道楽計画に、『真空管パワーアンプの自作』が加わったことは言うまでもない。

暮れの帰省

まる一日の休養で長距離ドライブも可能なくらいに体力が回復。ところが暖かだった昨日と打って変り西から悪天候が迫っている。思いつく限りの土産物を積み込み、愛車フォレ号は雨雲から逃れるように一路北へ。

局地的にかなりの雨をくらい、時には「こんなに運転が下手だったっけ?」と不安になるくらい強風にあおられてふらつく場面も。全線強風だけは続いたが総じて変わり安い天気で、途中3度も虹を見た。でも3度とも近くに車を止められる場所がなく、写真を撮れなかったのが残念。結局普段通りの所要時間で会津に到着。

荷下ろしが終るや否や、猫たちが「撫ぜろ~」といって出てくる。あぁ、帰ってきた、と実感する瞬間。

夕食後、金沢で仕込んだある趣味の機械(これについては後日また)を暖機運転的に動かしながら、父親の年賀はがき作りを手伝う。これから数日はこんなふうに、両親と猫たちと静かに過ごすことになる。

暮れの模様替え(in this Blog)

「里に帰る前に、秋のイメージが気に入って使っていたデザインを変更しなければならない」と突然思い立ち、絵心とグラフィックソフトを使いこなす器量とを共に持ち合わせていないことを恨みつつ、あれこれ考えたあげく、やっぱり大好きな猫のモチーフを採用しました。

今回は、OMEGA・BOXさんのテンプレートをお借りしています。

デザインも色づかいもシックで素敵ですね。でもちょっと文字が小さいかも。見えにくかったらごめんなさい>いつもお世話になっているおばちゃん。

大散財

定演が終わった直後から、非常に神経を使う問題が起こり、年末の休み直前、はっきりいえば今朝、ほぼ理想的な形で解決しました。努めて意識しないようにしていたつもりでも、やはりストレスは相当だったようで、その発散のためにかなりの散財に走りました(本来の浪費癖をストレスのせいにしている、と思った君とは絶交だ)。

21日の夜、注文から2週間で、大きな箱が届けられました。

開けるとまた箱。

まだまだ箱。

そしてとうとうご対面と相成りました。


VAIO type U(VGN-UX90PS)。Core Solo 1.2GHz にメモリー1GBを積んだオーナーメイドモデル。講義でパワーポイントを使うのに、とにかく(と、ここまでtype Uで打ってみたけど挫折。やはり「出力専用」マシンだと認識し、デスクトップで続きを編集)軽くて持ち運び易いマシンが欲しかったのです。

軽さのほかに、「ペン入力ができること」という条件を満たしたマシンは、さしあたりこれくらいしか見当たりませんでした。しかも、モニターがスライドするとキーボードが出て来るあたり、かつてサンダーバードの秘密基地に憧れ、ウルトラ警備隊のビデオシーバーに胸躍らせたギミック大好き中年としては、ツボを突かれた気分です。

ただ、あまりの小ささに、本体キーボードでの入力はほぼ不可能で、ソフトキーボードをスタイラスで叩く、という方式に落ち着きそうです。でも、講義用という当初の目的のほかに、電子手帳としても使えそうかな、などと、コストパフォーマンス最低の発想でニヤついています。

食べることについて

◇カキ養殖が盛んな岡山県備前市日生町漁協の水産物販売施設「五味の市」で、カキフライを載せたソフトクリームが人気を呼んでいる。

雑記帳:カキフライ載せたソフトクリーム人気 岡山-今日の話題:MSN毎日インタラクティブ



ネットでこんな記事を読んだ。

私はお金を貰っても食べない自信があるが、実際どんなもんなんでしょう?>岡山の方

帰ってきたら冬だった

京都で開かれた研究会から戻ってきました。

前夜から連続の協議と報告でいいかげん疲れた身体を引きずるように祇園に出て、「いづう」で鯖を1本、自分への土産に買いました。

京都では青空が見えていたのに、金沢駅から自宅まで10分ちょっと歩く間に空から固いものが落ちてきて、ああ、北陸の冬だ、と実感。

暖房を強くして鯖を食べていたら、先月来のストレスのピークで衝動的に買いまくったモノ達の第何陣目かが到着。そのなかの一つがこれ。



ハンガリー生れの名指揮者ドラティが、晩年に手兵デトロイト響と入れたドヴォルザークの管弦楽作品集ですが、珍しい「チェコ組曲」が入っています。日本では(多分チェコ以外ではどこでも)あまり演奏されないこの曲ですが、第2楽章「Polka」はいま日本で大人気。『のだめカンタービレ』で千秋君とヴィエラ先生(チェコフィルの首席指揮者ズデニェク・マーカル)がからむシーンでバックに流れるあの曲です。

その他の散財についても追い追い自白するでありましょう。

「忙」しいという字は

心をなくすということなんですね。

時節柄(?)猛烈に気忙しい毎日です。プライベートな自分と、研究者としての自分と、大学教員としての自分と、どれを優先しても不都合で、目配りも行き届かないままバタバタと走り回っている感じです。

今日もこれから長距離移動して研究会へ。往復の電車で読む本と、ちょっと軽めのクラシックを大量に入れた音楽プレーヤーを持って出かけます。来週半ばくらいまでこんな状況が続きそうです。

決してここの更新を放棄したり、URLやメアドを変えて隠れちゃったりしません>Off Lineでお世話になっているおばちゃん

「刺客」とはなんだったのか

流れが速いasahi.comの記事だから、リンクのほかに以下に引用してみる。

「刺客に批判の資格なし」森元首相が苦言
2006年12月01日19時00分

 「次の選挙まで保証しろと言うのは小泉チルドレンの甘えだ。『刺客』にそんなことを言う資格はない」。森・元首相は1日のTBSの番組収録で、郵政民営化反対組の復党に反対している同党の新人議員らをバッサリ切り捨てた。

 森氏は、小泉前首相が新人議員に語った「政治家は使い捨てにされることを覚悟せよ」との言葉を「極めて至言だ」と評価。その上で、「刺客というのは相手をやっつけて自分が死ぬぐらいだが、自分まで助けてもらっている」と評した。

 一方、復党問題で批判を浴びる安倍首相の政権運営については、「もう一度党員に、しっかり協力してほしいと呼びかけることだ。『発言がないな』と言われるのはそういう点。若いから遠慮があるんだろう」と語った。

asahi.com:「刺客に批判の資格なし」森元首相が苦言 - 政治


郵政解散後の総選挙の際、ある種の候補者を評して用いられた「刺客」という表現を非難するエントリを書いた記憶があるが、もしかして「刺客」は、本当に刺客としての働きだけを期待されていたのだろうか。とすると、私の批判は的外れということになる。だが、もしも「この選挙区のこの候補を潰せ」という密命を達成するためだけに選挙を戦ったとしたら、それは有権者を愚弄する以外のなにものでもない。

引用部の第2段落に見える「政治家は使い捨てにされることを覚悟せよ」との言葉は、「候補者は政党に使い捨てられる」ではなく「政治家は国民に使い捨てられる」という文脈から出ているというし、結局はいつもの「迷言」として誰の記憶にも残らないのだろう。ただ、こんな発言を見るにつけ、「No投票制」導入が急務だ、と考えるのは私だけだろうか。

ふと気がついたら

走らなきゃならない月になっていました。

演奏会から1週間、右脳と左脳の切り替えができないまま過ぎてしまったような感覚・・・。昨夜。「整理運動」代わりに楽器を吹きに行って、メンバーとちょっとだけアンサンブルして遊んだけど、やっぱり音楽は楽しいとしみじみ。彼らと馬鹿話をしながら焼肉、なんていうオプションも付いたので、少し元気が戻ってきた感じです。

これから隣の大学の研究会へ。一気に本業に戻ることにします。
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