2006.12.30 土曜日 23:13
今年も年の瀬
二日間雪が続き、外に出たくない気分になる。それでも必要な買い物や、家の内外の雑事をポツポツこなしながら、金沢で用意した機械の準備も整った。
一年前、実家にずいぶん前からあるアンプが故障した。セレクタやトーンコントロールは生きているが、イコライザがダメになってしまったため、結構な数があるLPを再生できない状況が続いていた。そこで、ガキのころから憧れていた真空管アンプ導入に踏み切った。選んだのは、TU-875というプリアンプのキット。フォノイコライザとラインアンプを双三極管3本とFETで組んだシンプルな構成で、上手く作ればノイズレベルの低い温かな音が期待できそうだ。
キットが届いたのは定演前だったが
、さすがに作る時間はなく、定演後のある日曜日、半田ごてと、こて先クリーナーを新調して一気に作った。ネットで見ると、メーカーのページでは『10時間』、製作したユーザーのページを検索して回ると『7時間』『6時間』などの所要時間が。器用であることを唯一の取り柄と自認する以上、もっと短時間で仕上げなければ男が廃る(?)。ということで回路図と実体配線図をよくよく読み込み、間違ってはいけないカラー抵抗の区分けなど
、イメージトレーニングを十分にしておいた。
いざ取り掛かってみると、(視力のせいか)抵抗の色が見難いことを除けば、技術的に難しいところは全くなく、久しぶりの本格的な半田付けも10分もしないうちに昔のカンが戻ってきて、面白いように(実際面白いのだが)進んでいく。結局一ヶ所の間違いもなく、シャーシへの仮組みが終るまで4時間半
。まだまだ衰えてはいなかった。もっともプリント基板への半田付けが大半だから、本当に簡単。金沢にはアナログプレーヤーを置いていないので、唯一可能なラインアンプのテストもあっさり終り、つまみの組み付けに必要な六角レンチ(何故かすぐになくしてしまう・・・)を買ってくる時間を除き、5時間で完成した
。
帰省して、荷ほどきが済んだらすぐに、アナログプレーヤーと既存のアンプの間に持ち帰ったプリアンプを繋いでエイジング開始。真空管はある程度の時間通電してやらないと、本来の性能を発揮してくれない。2時間ほどして音(視聴に使ったのはクーベリック、バイエルン放送響の「真夏の夜の夢」)を聞いてみると、「なんじゃこりゃ?」。いいかげんなアースの引き回しにしてはノイズが少なくて良いのだが、音はキンシャンして薄っぺらい。試しにグレン・ミラーのモノラル版をかけてみると雰囲気タップリだから、周波数特性が全然ダメということ。初日は6時間のエイジングで打ち止め。翌日、更に10時間以上エイジングを続け、また視聴してみると、明らかに音が変わってきた。音の粒立ちがくっきりとして艶があり、中域の膨らみも出てきた。でもソロ楽器は良いが、オケのTuttiは定位性もなくいただけない。そして今日、更に10時間のエイジングで、ほぼ理想的な音になった。弦パートの合奏もしっかりと定位し、低音から高音まで艶やかで伸びがある。室内楽、ピアノコンチェルトなどいろいろなソースで試したが、「温かい」と表現できる音が伸びやかに響くようになった。
明日、大掃除を仕上げたら、ベーム晩年の第九のLPを楽しむことができそうだ。新年の道楽計画に、『真空管パワーアンプの自作』が加わったことは言うまでもない。
一年前、実家にずいぶん前からあるアンプが故障した。セレクタやトーンコントロールは生きているが、イコライザがダメになってしまったため、結構な数があるLPを再生できない状況が続いていた。そこで、ガキのころから憧れていた真空管アンプ導入に踏み切った。選んだのは、TU-875というプリアンプのキット。フォノイコライザとラインアンプを双三極管3本とFETで組んだシンプルな構成で、上手く作ればノイズレベルの低い温かな音が期待できそうだ。
キットが届いたのは定演前だったが
いざ取り掛かってみると、(視力のせいか)抵抗の色が見難いことを除けば、技術的に難しいところは全くなく、久しぶりの本格的な半田付けも10分もしないうちに昔のカンが戻ってきて、面白いように(実際面白いのだが)進んでいく。結局一ヶ所の間違いもなく、シャーシへの仮組みが終るまで4時間半
帰省して、荷ほどきが済んだらすぐに、アナログプレーヤーと既存のアンプの間に持ち帰ったプリアンプを繋いでエイジング開始。真空管はある程度の時間通電してやらないと、本来の性能を発揮してくれない。2時間ほどして音(視聴に使ったのはクーベリック、バイエルン放送響の「真夏の夜の夢」)を聞いてみると、「なんじゃこりゃ?」。いいかげんなアースの引き回しにしてはノイズが少なくて良いのだが、音はキンシャンして薄っぺらい。試しにグレン・ミラーのモノラル版をかけてみると雰囲気タップリだから、周波数特性が全然ダメということ。初日は6時間のエイジングで打ち止め。翌日、更に10時間以上エイジングを続け、また視聴してみると、明らかに音が変わってきた。音の粒立ちがくっきりとして艶があり、中域の膨らみも出てきた。でもソロ楽器は良いが、オケのTuttiは定位性もなくいただけない。そして今日、更に10時間のエイジングで、ほぼ理想的な音になった。弦パートの合奏もしっかりと定位し、低音から高音まで艶やかで伸びがある。室内楽、ピアノコンチェルトなどいろいろなソースで試したが、「温かい」と表現できる音が伸びやかに響くようになった。
明日、大掃除を仕上げたら、ベーム晩年の第九のLPを楽しむことができそうだ。新年の道楽計画に、『真空管パワーアンプの自作』が加わったことは言うまでもない。
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