2006.02.03 金曜日 17:16
信時潔「鎮魂頌」
新聞記事によると、参院予算委員会で安部官房長官が、
数年前、靖国神社遊就館で『靖国神社の歌』(NKCD-3070)というCDを買った。昨年『海ゆかばのすべて』をアップした際には失念していたのだが、このディスクに、信時潔の「鎮魂頌」という曲が収録されている。戦後の世情荒廃を嘆いた折口信夫が詞を書き、昭和34年、靖国神社創立九十年祭に際し信時に作曲を委嘱した。ディスクには、團伊玖磨指揮、東京芸大教授秋本雅一郎独唱のオーケストラ版と、團のピアノ伴奏、二期会合唱団による混声合唱版が収録されている。
この曲は、靖国神社委嘱作品であるから、当然、神道的内容を持つものであるが、詞からも、曲からも、純粋に戦没者を慰霊しようという作者の精神を感じ取ることができる。
自然の美を称え、死者を追慕する心を柔らかな和語で綴った折口の詞に、信時は、技巧を廃し、力強さと繊細さを併せ持った美しい旋律を与えた。雄渾という評価は、信時の作品にこそふさわしい。
現在この曲は、靖国神社の例大祭で演奏される。また宮城県護国神社のHPで、楽譜の閲覧と混声合唱版の視聴が可能となっている。
故人を悼む気持ちは誰にでもあろう。ましてや、国という抗い難い存在のために非命に倒れた人を追悼するに、なんの憚りがあろうか。追悼という純粋に精神的行動の前に、政治も左右どちらの思想も無用である。
もっとも、私は靖国神社そのものには良い感情は持っていない。それは靖国が、我が会津を蹂躙した西軍戦没者の追悼施設「東京招魂社」に発するからである。
国のために殉じた方々のために手を合わせるのは当然のことだ。靖国神社にお参りすることが、(戦没者の)冥福をお祈りすることになると語った。これに先立ち、麻生外相も靖国参拝に前向きな発現をし、一部野党が騒いでいる。
数年前、靖国神社遊就館で『靖国神社の歌』(NKCD-3070)というCDを買った。昨年『海ゆかばのすべて』をアップした際には失念していたのだが、このディスクに、信時潔の「鎮魂頌」という曲が収録されている。戦後の世情荒廃を嘆いた折口信夫が詞を書き、昭和34年、靖国神社創立九十年祭に際し信時に作曲を委嘱した。ディスクには、團伊玖磨指揮、東京芸大教授秋本雅一郎独唱のオーケストラ版と、團のピアノ伴奏、二期会合唱団による混声合唱版が収録されている。
この曲は、靖国神社委嘱作品であるから、当然、神道的内容を持つものであるが、詞からも、曲からも、純粋に戦没者を慰霊しようという作者の精神を感じ取ることができる。
現し世の数の苦しみ たたかひにますものあらめやという歌詞が、軍国主義日本の消長を見届けた文人の筆によって書かれたことの意義は大きい。
自然の美を称え、死者を追慕する心を柔らかな和語で綴った折口の詞に、信時は、技巧を廃し、力強さと繊細さを併せ持った美しい旋律を与えた。雄渾という評価は、信時の作品にこそふさわしい。
現在この曲は、靖国神社の例大祭で演奏される。また宮城県護国神社のHPで、楽譜の閲覧と混声合唱版の視聴が可能となっている。
故人を悼む気持ちは誰にでもあろう。ましてや、国という抗い難い存在のために非命に倒れた人を追悼するに、なんの憚りがあろうか。追悼という純粋に精神的行動の前に、政治も左右どちらの思想も無用である。
もっとも、私は靖国神社そのものには良い感情は持っていない。それは靖国が、我が会津を蹂躙した西軍戦没者の追悼施設「東京招魂社」に発するからである。