歴史の大切さと面白さ

このところの脳みその不調がたたり、読了まで、というか腰を落ち着けて読むまでに時間がかかってしまったが、静かな雨の日曜に最後の一章を熟読玩味した。



近代法制史を生業とするものとして、手放しに誉めると共に、巳の不甲斐なさを恥じる。法制史を学ぶなら勿論のこと、法学部の学生には漏れなく読んでもらいたい良書だ。僅かに単純な間違いが見られるが、論旨とその価値に重大な影響を与えるものではない。いまや稀覯本になりつつある山本祐司『最高裁物語』に次ぐ現代法制史の必読書となろう。

願わくば、私のまわりの金回りの悪い学生にも手が出せるよう、安価な文庫化を。よりコストの安い"電子化"という声も早晩聞こえてくるだろうが、高額なリーダーを買えるくらいなら紙の本購入を躊躇しないだろう。

とにかく読むべし>弟子一同

珍しすぎる事件

ほぼ毎朝チェックしているボ2ネタに加え、ツイッターで実務家や研究者の方々のつぶやきを読んでいると、少なくとも講義のまくらに困ることはなさそうだ。ただ、あまりにも( ゚д゚)ポカーンな出来事に出くわすと、講義よりもまず隣室の先生との立ち話のネタになる。自分の認識が間違っているのか、ポカーンが甚だしすぎるのか自信が持てなくなるのだ。

で、数日前のボ2ネタから、( ゚д゚)ポカーンな出来事。(リンクは随分な数がある記事の一つ)
「婚姻届」偽造してまで元妻連れ子の女子高生と…
リンク先の記事その他によると、57歳の男が妻との離婚届を出し、同日、妻の連れ子(17)との婚姻届を提出した。役所では未成年の婚姻に必要な同意書がなかったため受理しなかったが、男は翌日、偽造した同意書を持参し、再度婚姻届を提出した。窓口では署名の筆跡が同一との疑いを持ち、管轄の法務局に紹介したが、法務局も禁婚関係を正しく理解していなかったため手続きを止めることができず、結局届は受理されてしまった。その後役所から17歳の「妻」に通知が行き、初めて事件が発覚、男は有印私文書偽造の罪で逮捕されたという。

歴史的に見れば、禁婚の範囲は優生学的な知見が加わることによって随分と拡大したが、倫理に寄る部分も決して少なくない。養親子関係になったことはなくとも、直系姻族は倫理上ダメ。少々パターンは違うが、国津罪の時代から倫理違反として許されないことだ。

気の毒なのは結婚したことにされてしまい、戸籍が汚された娘さん。家裁で婚姻無効を確定してもらった上で戸籍の訂正という手順に進む。どうやら「戸籍の再製」なる手続きが可能らしいので、「きれいな戸籍」に戻すことができそうだが、時間はかかる。735条違反の婚姻無効といい、不同意堕胎といい、珍しい事件は理論の産物に止まっているだけでいい。100年後に法制史の教科書に載りたいなどと、間違った了見を持たないことが世のため人のためだ。

しっとりオーディオ機器を作る

嘘。今回は作ってない。

ということで
番外編 TL51X を買った


愛用のCDプレーヤー"SANSUI CD-α717DR"を買ったのは、まだバブルの余韻が残る頃。大学院生ながらバブリーなお仕事で纏まったお宝を頂戴し、現在でも私のリファレンス機であるアンプ、スピーカと一緒に購入した。このプレーヤー、最先端の1bitDACを搭載し、高い剛性のシャーシと相まって、鮮やかな色彩感と光沢を放ちながらも決してギラつかない音を聴かせてくれた。その後、湿気との長い戦いを生き抜き、トレイに動力を伝えるベルトは何度交換したか知れない。最近では、バンコードという特殊ゴムを買ってきて、「専用輪ゴム」まで自作していた。

だが本来、回る物の耐用年数は決して長くない。20年に垂んとする長い時を経て、このプレーヤーも本来の性能を発揮することができなくなってきた。手(ピックアップを制御するモーター類)が震え、目(光学ピックアップ)がかすみ、正しくデータを読み取れない場面が、目に見えて増えたのだ。サブのプレーヤー1台、DVDなどマルチディスクプレーヤー3台、パソコン用のドライブに至っては無数に転がっているこの部屋だが、このリファレンス機に匹敵する音を出す機械は持っていない。いよいよ新しい機械を買うしかなさそうだ。

そうは思っても、忙しさにかまけ、かつ完成品を買う事への微妙な感情もあって一日延ばしにしていたのだが、数日前のこと、刈谷のキット屋さんのHPで、あるプレーヤーが製造中止になるというニュースに接した。漠然と「買うならこれ」と決めていた"CEC TL51X"だ。

DACはキット屋さんから購入し組み立てた "Model2" を愛用しているが、このDACとの相性が良いと評判であり、刈谷の試聴室でも、東京の試聴会でも何度となく聴いた「あの音」なら、新たな常用プレーヤーとして必要十分だ。SACDも普及は見込めそうもないし、ここで単体のトランスポート(DACを持たず、ディスクからデジタル信号を取り出す)を買うのもエレクトロニクスおやじらしくていい。そのトランスポートがキット屋さんに10台程度、メーカー在庫も同数くらいで、既に製造を中止したらしい。怒る元気も失せる。

キット屋さんでは受注を止め、日時を決めて一斉に注文を受けるという。キット屋さんのこの方法でまともに買えたことはない。何故か販売開始の時刻、用事があってパソコンに向かえないのだ。では、どこか在庫を持っているところはないだろうか、と、とりあえずググってみたところ、アマゾン経由で地方のショップが「在庫あり」の表示を出している。アマゾンなら支払いも簡単だし、割引率はキット屋さんと同じ。送料無料ならいうことない。瞬間に購入を決意し、幾つかのボタンを押して注文を確定させた。これが、4月23日金曜日午前8時のこと。恐らく注文が駆け巡っているだろうから、果たして買えるかどうか。

アマゾンのオートコンファメーションはすぐに届いたが、販売するショップから連絡が来たのはその日の午後6時半。メールに曰く
当店のシステムの都合により、午前9時以降のご注文につきましては
翌営業日のご注文確認後のご案内となります。
キレそうになった。国内で1時間も時差があるって、どこだ、一体!

週が明け、26日月曜日の午前中、件のショップから
ご注文頂きました商品ですが、ご注文が殺到しており当店在庫切れとなってしまいました。誠に申し訳御座いません。
現在、商品確保の為メーカーと交渉中で御座います。
と行って寄越した。買えなかったら、このメーカーの他機種(価格は三割り増しくらい(;_:))にするか…。ところが5時間後、受注確認のメールが入った。といっても発送に関する記述が曖昧で、確実に購入できるのかどうか判然としない。そこで、配送を連休明けにして欲しい旨、メールを送ってみた。すると翌日、着日指定で手配したとの返信が届いた。どうやら頑張ってメーカーと交渉してくれたようだ。ちなみにキット屋さんでは瞬時に売り切れたらしい。

その後も若干気を揉んだが、今朝、無事にブツが届いた。アマゾンに注文し、地方のショップが受注、メーカーに直送を手配した。メーカーは他県の物流センターから送り出し、指定日まで一晩、甲府のクロネコで留め置かれて届けられたのは、この機体。
本体の上にある黒い物体は、CDの上に載せるスタビライザ。ボタンを押すとトレイが出てきたりディスクを吐き出したりするのではなく、手で上部のフタを押して開ける。

非常に"アナログ"な作りだ。だが、トップローディングということは、筐体の上方に十分な空間がないとディスクの出し入れに困る。だが私が使う(作る)真空管アンプは、基本的に上部に真空管を露出させる(変な趣味じゃなくって放熱のためだからねっ!)から、最上部に51Xを置くことができない。困った挙げ句に辿り着いたのは、元のプレーヤーと入れ替え、棚板を若干上げて手が入るようにするという、あまり美的ではない解決策。


TL51Xは世界的にも珍しいベルトドライブ方式を採用している。ダイレクトドライブでは避けることのできない駆動による振動をキャンセルし、外周と内周で異なる回転数を正確に、シームレスに変化させる。低トルクモーターと、300gのスタビライザによる慣性モーメントを利用しているとあるが、力学は今ひとつ理解しにくいな(^^ゞ

午前中に届き、すぐにラックまわりの掃除と配線し直し、同時に現在のメインアンプ(ブログ未搭載)の電源スイッチ調整を済ませ、急いで音を出したわけだが、鮮明な音、奥だけでなく手前、リスナーに向かって音像が広がるような感覚。リジットな駆動部分のおかげでエラーのないデータ読み取りが行われ、真空管バッファ付きDAコンバータの威力が遺憾なく発揮されている。鮮度の高い音、とでも表現しておこうか。これまでも十分に満足できる音だったが、更に一皮むけた、一ランク上の生き生きした音場が出現した。ここの楽器がくっきり聞こえるだけでなく、オケの、アンサンブルの広さ、奥行きまでよりはっきりと見えるようになった。

このトランスポートなら、DACを換えることで更に変化を楽しめるだろう。デジタル臭さはそもそもないが、最近気に入っているトランスを使っても間違いなく楽しめる。バラック組みで止まっているトランス出力プリアンプ、送信管アンプ、真空管バッファ付きチューナーと並行してDAC第三号を検討するかな…
バキッ!!☆/(x_x)

不肖・私

本日47回目の誕生日を迎えることができましたのも、ひとえに皆々様のご指導ご鞭撻のたまものと、厚くお礼申し上げます。_(_^_)_

朝から続々と温かいメッセージをいただき、皆々様のご厚誼により身の不徳を覆って世を渡りおるありがたさをかみしめております。_(_^_)_

今朝の5時のこと。寝室の廊下から口を開かずに何か訴える声が。多分四女の声です。「こらっ、誰だ」と、ちょっと大きな声を出すと、バタバタと音を立てて階段を駆け下りていきます。それから数分で、やはり四女が部屋に入ってきて、普段通り私の布団の裾の方で丸くなりました。
少しまどろんでから、これまた普段通りに起き上がり、いつもよりも慎重に階段を下りていくと、やはりありました。明け方は四女が誕生日プレゼントを持って来たのでしょう。

母の言いつけで庭の手入れを手伝っていると、路地の向こうから、四女が口を開けずに何か訴えながら駈けてきます。口を開かないのは、獲物のネズミを咥えているから。ネズミを捕る猫を叱るわけに行かず、ただ必死に、獲物を室内に持ち込むことを阻止しました。誕生日だから、いつもより多く持って来てくれたと考えることにします。が、やはり不徳です。

ついでに今日の次女の様子も。
写真なんか撮ってないでブラシかけて、と言っています。

寒い会津のゴールデンウィーク

講義が終わると早々に移動して、会津で連休です。母親のややボケと猫のどたばたは彼岸の頃と変わらず、至って穏やかな休日。とはいえちょっと街に出ると、ソメイヨシノが満開でびっくり。報道によると、ゴールデンウィークに桜が満開になるのは、当地では20年ぶりとか。二週間ほど季節が遅れているらしく、ここ数年注目されつつある当地のアスパラガスも「寒くで全然育たねぇからくれらんねぇぞ」とは悲しい情報。

雨が上がって幾分かは気温が上がったものの、風が強くて外歩きには不向きな今日、屋外で誰かが唸る声が聞こえてきました。切迫感はないものの、ケンカになって怪我でもすると、また動物病院に感謝されることになるので、急ぎ出てみると、見たことのないお客が。
きれいなオッズアイだけど毛艶の悪い男の子が、どうやら家のエサを狙って寄ってきたようです。迎え撃とうかと身構えるのは当家の末っ子でした。

だら〜んと動物園の熊のように座ったり、毛布をかじって甘えたりする長男が、この白猫とは相性が合わないのか、毛を逆立てて威嚇しています。
白猫を追い払って家に入ると、長女と三女が高見の見物。

平和な午後でした。

三女の横にチラッと移っているのは、母にもらった電子レンジ用スチームケース。誕生日のプレゼントだそうで、そういえば明日が誕生日でした。甲府に移って以来、盛大に祝っていただけるということもなく、武家諸法度には音信贈答すべからく簡略を用いよとなっていますが、少しくらい宣伝しないと、場合によっては今後のお付き合いの方針も変わるかもしれませんし、まあそこら辺は・・・。

連休はまるっと会津で過ごします。
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