珍しすぎる事件

ほぼ毎朝チェックしているボ2ネタに加え、ツイッターで実務家や研究者の方々のつぶやきを読んでいると、少なくとも講義のまくらに困ることはなさそうだ。ただ、あまりにも( ゚д゚)ポカーンな出来事に出くわすと、講義よりもまず隣室の先生との立ち話のネタになる。自分の認識が間違っているのか、ポカーンが甚だしすぎるのか自信が持てなくなるのだ。

で、数日前のボ2ネタから、( ゚д゚)ポカーンな出来事。(リンクは随分な数がある記事の一つ)
「婚姻届」偽造してまで元妻連れ子の女子高生と…
リンク先の記事その他によると、57歳の男が妻との離婚届を出し、同日、妻の連れ子(17)との婚姻届を提出した。役所では未成年の婚姻に必要な同意書がなかったため受理しなかったが、男は翌日、偽造した同意書を持参し、再度婚姻届を提出した。窓口では署名の筆跡が同一との疑いを持ち、管轄の法務局に紹介したが、法務局も禁婚関係を正しく理解していなかったため手続きを止めることができず、結局届は受理されてしまった。その後役所から17歳の「妻」に通知が行き、初めて事件が発覚、男は有印私文書偽造の罪で逮捕されたという。

歴史的に見れば、禁婚の範囲は優生学的な知見が加わることによって随分と拡大したが、倫理に寄る部分も決して少なくない。養親子関係になったことはなくとも、直系姻族は倫理上ダメ。少々パターンは違うが、国津罪の時代から倫理違反として許されないことだ。

気の毒なのは結婚したことにされてしまい、戸籍が汚された娘さん。家裁で婚姻無効を確定してもらった上で戸籍の訂正という手順に進む。どうやら「戸籍の再製」なる手続きが可能らしいので、「きれいな戸籍」に戻すことができそうだが、時間はかかる。735条違反の婚姻無効といい、不同意堕胎といい、珍しい事件は理論の産物に止まっているだけでいい。100年後に法制史の教科書に載りたいなどと、間違った了見を持たないことが世のため人のためだ。

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