さてオーディオ機器を作る

勤務先は水曜日が会議日。まだまだ新参者で難しい仕事は回ってこない(といいな!!)とはいえ、今日も二つの会議に出て、かなり疲れている。今週の体調不良はどうも本物のようで、たびかさなる長距離移動やらなにやら、かなり過負荷状態だったのだろうか。

手元には本と、CDと、真空管を始めとするパーツ類が増え続けている。前二者は金沢時代から減ったことなどないが、パーツ類の劇的な増加が、これまでできなかった「趣味」への渇仰を表している、と思うのは私だけだろうか・・・。

体調が戻らないと、次のアンプを組み上げる気力が出ないし、そもそも締め切るのある仕事がいくつか目の前を行ったり来たりしているから、やはり仕事を先に片付けるのが順当か。つまらんな。

音の良いプリアンプを作ろう(その1)

年明けに、ネットでTANNOYの(私の感覚では)かなり大きなSPを買った。このメーカーの現行同軸2WAYを近所のハイエンドオーディオショップで聴いた時は、「なめとんのか?」という音だったが、熱烈なファンは多いし、鳴らす「コツ」めいた話も小耳に挟んで、このメーカーの、しかもやや古めのSPをどうしても所有したくなった。ただ、設置場所の関係で、おのずから「大きさ」には限度がある(このメーカーのは大きいんだな、とにかく)。で、あれこれ思案していたところ、私の現在の環境でも「置く」だけならなんとかなりそうなタイプが見つかった。

音は、凄い。送信管アンプの圧倒的な情報量に怯む気配もなく、豊かに延びのある中音、下っ腹に響くような低音、そして送信管アンプの持ち味である透明で輝かしい高音を、これまで聴いたことのない純度で聞かせてくれる。この機器類で存分に音楽を聴きたいから、人里は慣れた山奥にでも引き籠ろうか、と本気で思う。

TANNOYのフロア型がかなりの床面を占拠するため、従来のSPの置き場所に腐心することになるが、TANNOYの上にウッドコーンとアルテック404を置いてみたところ、TANNOYがホーン代わりになるのか、小さなSPの低音がいきなり充実し、ますます良い音の競演を繰り広げてくれる。

足るを知ることは恐らくないだろう超俗物である私は、このTANNOYと副次的効果に気を良くして、次なるシステム向上策に着手することに決めた。以前、ロシア球屋のFさんから買ったWE328A互換球を使い、トランス出力プリアンプを作る。そう決めた。始めて作ったオーディオアンプはケンクラフトのプリだった。始めて作った真空管アンプも、エレキットのプリだ。やはり(何故か)プリを作りたい。

モデルはキット屋さんの定番プリSV-310。Western Electric の五極管をチャンネルあたり1本ずつ使った、非常にシンプルな回路だ。部品点数が少なく、ほぼど素人の私でも全体を見通すことができ、デッドコピーしようか、という気にもなる。328は310のヒーター電圧違い球で、定格の上では同じ動作をする。キモになるのは出力トランスだが、ネットで同じものを売っているのを見つけ、迷わずゲット。同じショップでチョークコイルも買い、気がつくと大物パーツで足りないのは電源トランスだけになっていた。キット屋さんが使っているのは特注らしい。ならば、と、おとなり長野のトランスメーカー、フェニックスに、欲しい電圧、電流、整流方式などを書いて見積りを依頼してみた。

するとほどなく返信があり、納期2週間で、予想外に安価にできるという。一も二もなく正式発注し、納品まで、全体を収めるシャーシ、抵抗やコンデンサ、プラグなど小物パーツを、主としてネット通販で物色することにした。キットではなく図面からアンプを作るのは生まれて初めてで、試行錯誤、紆余曲折は覚悟の上だ。というか、パソコンもそうだったが、技術を実地で身につける以外に上達の方法がないから、高価なパーツを駄目にしない範囲で失敗も可、という気持ちで取り組むことにした。

ところが10日ほどで特注のトランスが届いてしまった。早すぎる。必要なパーツはまだ揃わない。が、もたもたするのもイヤだ。講義と校務のピークを越える1月末から2月頭にかけて、一気に決行する方針を固め、秋葉その他のショップに通販を依頼した。

些か異議あり

退院して一人暮らしに戻った母を見舞うため、週末は会津で過ごした。退院直後は真っ直ぐ歩けないほどの衰弱ぶりで、親戚知人縁故関係手当たり次第に、様子を見てくれるよう頼んで回ったが、今回は随分と回復したようで、正直ほっとした。もっとも父に続いて母の大病は、私には相当のストレスだったようで、残念ながら体調が思わしくない。医者通いは望ましくないのだが。

久しぶりのエントリがこの記事へのコメントとは、少々複雑。

<長崎市長射殺>死刑判決の要旨(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
昨日の午前中、実家で母と軽い食事をしている時に、ニュースで「主文後回し」が報じられた。量刑相場から死刑はないだろうと思いこんでいたから、判決理由を詳しく知りたいな、などと考えていたら、老母が言った。「市長を殺したから死刑だが、私を殺しても死刑にはならないんだろう。なんか納得できない」。我が母ながら、なかなか鋭いことを言う。もう少し若かったら、裁判員として堂々と「正論」を吐くだろう。

甲府に移動した後に見たニュースや、今朝の新聞報道で確認したが、判決は被告人の行動を「暴力によって被選挙人の選挙運動と政治活動の自由を永遠に奪うとともに、選挙民の選挙権の行使を著しく妨害したのであり、民主主義の根幹を揺るがす犯行というべきである」と極めて厳しく指弾している。被害者が選挙運動中であったことを最大限に考慮し、犯行に「政治的意味」見いだそうとしている。が、はたしてそうだろうか。この論法だと、被害者である市長が選挙期間外の公務中に遭難した場合、選挙期間外の私用中に遭難した場合とで、犯行への評価が異なることにならないか。

以下私見だが、大前提として、本判決の結論を支持する。しかし理由は、公人に対する政治的テロ、選挙テロだった、と評価するからではない。
    1.被告人は極めて反社会性の強い暴力団の
    2.幹部構成員であり
    3.不正不順な経済的要求が認められなかったことで市長を逆恨みし、
    4.銃器を使用し
    5.多くの人々が往来する市街地で
    6.他者を巻き込む危険も顧慮せず複数回発射した
結果、被害者を死に致らしめたものである。被害者の人数に拘泥し、機械的に死刑を回避できるような事例ではない。

ここで、被害者が現職市長であり、候補者として選挙活動中だったという点を重視しすぎてはいけない。確かに、直後の選挙に与えた影響は甚大だったが、理不尽に命を奪われた被害者の選挙権、被選挙権のみが尊いというがごとき論調は、平等権を犯しかねない。本件は上記各理由をもって、十分に死刑に値する憎むべき犯罪である。被害者である市長の無念は如何ばかりであろうか。だが、自宅に籠城した暴力団員を包囲したところ、県警幹部の拙劣な現場指揮で犯人の前に身体を晒す羽目になり、結果射殺された警察官も、市長と同じか、あるいは目前で職務を果たせなかった分だけ、市長よりはるかに春秋に富む分だけ余計に無念だったであろう。抗争に巻き込まれ、果ては人違いで、兇悪な暴力団員の手にかかった名もなき市民は、犯人と接点がない分だけ、より一層無念であろう。

本件のみが、ことさらに重大な結果に至ったのではない。

日常への回帰(見込?)

連休中に母親が退院しました。決して便利とはいえない田舎に一人暮らしですから、隣近所やら親戚やら、やたらと迷惑をかけてしまうことになり、一人息子としては違う意味で気苦労が絶えません。その上、12時間以上の手術と二日間の集中治療室で装着されていた自動血圧計がキツ過ぎたらしく、左手が効きません。原家の人間から手先の器用さを取ったら何が残るのか、と、口には出しませんが母も私も気に病んでいます。母の友人が毎日、揉み療治に通ってくれていますし、焦らず気長にリハビリするしかなさそうです。

帰省 = 病院通いという、それはそれはイヤな年月が流れました。福島県内の高機能病院はあらかた廻りつくした感があります。そろそろ、旧知の人々と会い、素朴な季節の実りを楽しむことを主たる目的に、のんびり帰省したいものです。

ところでこの冬、実家で除雪に使っていた井戸が涸れてしまいました。病気の独居老人に重い雪を片付けることなど出来る筈もなく、近所で一番最後まで雪を残す羽目になりました。同じ用途で地下水を使うところはどこでも、数年に一度は井戸の掘り直しが必要で、今年は当家の番に当たってしまったわけです。

連休の最後に実家で地鎮祭を行い、工事を待つだけになっていましたが、今日の夕方、母から電話があり、既に新しい井戸から水が出ており、あと一日か二日で工事が終わるとのことです。庭の水撒きにも難儀していましたから、更に一安心といったところですが、これで夏のボーナスが消えたかと思うと、実に寂しい心地がします。去年の、「ドカッ」と重い地響きをたてて舞い込んだ金沢市からの納税通知に、ほぼ全額を持っていかれたという悲しい記憶がありありと蘇ります。僅かでも残れば、珍しい真空管でも探すことにしましょう(爆)。
calendar
<< 皐月 2008 >>
SunMonTueWedThuFriSat
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
selected entries
categories
archives
recent comments
recent trackbacks
profile
others