いきなりの秋風

この時期から秋の始めくらいにかけては、ご奉公の影響か、私の名前でググってこのページにお出でになる方が顕著に増えます。普段は真空管ネタが8割、「海ゆかば」が2割程度で、自分がどういう人間なのか、時々不安になります(笑)。このキーワードから想像できる人物像……「環境負荷のキツい」「右翼」。

どう考えてもモテないな、こりゃorz。


「午前と午後で2科目担当」という、歳を考えるまでもなく無謀なご奉公の4年めだった去年の今ごろは、「あぁ、これがポリープというものか」と思えるような喉の痛みが始まっていました。痛みが完全に引いたのは暮れの12月。痛いのはイヤだと、夏の担当を減らしていただき、今年は午前のみという従来のパターンに。午後が空いたため、昨年までは夢のまた夢だった「昼食」もしっかり食べられ、眠気を振り払うように図書館を渡り歩くと、思いのほか勉強も進みました。

かつて、手で目録をめくり、頭痛を堪えてコマを送ったマイクロ史料のいくつかは、データベース化され、キーワードを入れるだけで欲しい記事がモニターに表示されるようになっていました。ごく最近の文字史料なら当然ですが、明治初期の史料が電子化されつつあるのには驚きです。キーワードの付け方には多少の難があるようですが、輝度のムラがひどいリーダーで、マイクロをひとコマずつ、希望の情報に行き当たるまで読み進めたことを思えば、こんな楽な作業はありません。

もちろん、歩き回り、埃まみれになって、ようやく情報に辿りつくという古典的な手法も健在、というより、こうしたアナログな手法を知らないと、データベースの穴を埋められず、史料探しが完結しないだろうと感じました。『薔薇の名前』に出てきそうな入り組んだ階段の先にある、人気のない書庫の隅で、100年前の事件を伝える掠れた印刷を見つけると、不思議な高揚感に捕われるものです。

この一週間で、ある男の「転落」を追いかけ、かなりのことが分かりました。足りない情報は、どこに問い合わせるか、見込みが立ちました。毎日これにかかりきりで、秋葉にも、博物館にも、好みのフレンチにも行けませんでしたが、大変に満足しています。

今日、早めに帰ろうかと思ったら、夏の終わりを告げる激しい夕立が。もう一度図書館に戻り、集めた史料のコピーを読み返し、改めて外に出たら、すっかり涼しくなっていました。

明日で今年のご奉公も終わり。試験に臨まれる皆さん、どうぞ、存分に実力を発揮して下さい。
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