これも度し難い

先月末日、法律情報ポータルサイトとして唯一無二の存在だった『ボツネタ』が閉鎖の憂き目にあってしまった。管理人である岡口基一氏はITに通じた判事として著名な方だが、先頃、『ボツネタ』のコメント欄に氏を侮辱する書き込みが現れ、それがエスカレートしてとうとう殺人予告にまで至ってしまった。犯人は捕まったが、大阪高裁判事である岡口氏は、「犯行現場」である『ボツネタ』を継続できなくなってしまったのである。

『ボツネタ』のコンテンツは岡口氏の同業の方(要するに判事さん)が引き継ぎ、『ボ2ネタ』という名称で継続することとなり、ボツネタを信頼してきた多くのユーザー同様、私も一安心といったところだが、まさに先駆者というべき岡口氏の心中いかばかりかと思う。そして、こんな「予告」の流行は御免被る。「夜討強盗偽綸旨」の頃も、今と同じような殺伐とした時代だったのだろうか。

同じようなあきれた話が繰り返されるのもイヤだが、聞いたことがないような新手が出てくるのも、この流れでは絶対に望ましくない。たとえば、
京都家裁書記官、判決偽造容疑で聴取へ 詐欺団と共謀か
こんな話、聞いたことがない。架空名義の銀行口座を潰していくのは、振り込め詐欺撲滅のために不可欠だ。犯行を失敗に終わらせ、同時に犯行グループの糧道を断ち、次の模倣犯の出現を抑止する。地味で手間がかかるが、有効な対策だ。口座が凍結されれば、犯人には手も足も出ないはずなのだが、裁判所の判決文を偽造して凍結を解除させ、まんまと金を引き出した。

偽綸旨ならぬ偽判決を作ったのは書記官らしいが、どういう経緯でこの書記官が犯行に手を染めたのか、詳細な捜査を待ちたい。つい先日も、勾留中の男に脅迫された警察官が大金を脅し取られるという、呆れ返るような事件があった。件の書記官は、弱みを握られたのか、それとも持って生まれた悪心が現れたのか。いずれにしても、流行ってほしくない出来事だ。
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