「靖国」

少しだけ気力が回復してきた気がするので、後ればせながらこの話題を。

朝日新聞によると、広田弘毅元首相の遺族が、「靖国合祀に同意していない」と語ったという。東京裁判で死刑判決を受けたたった一人の文官で、他の被告人と違い、弁明を拒否して死を迎えた広田元首相の遺族であれば、当然といえば当然である。

そもそもA級戦犯は「何の罪」で裁かれたのか。どうして彼らがそこに立たされたのか、様々な問題が残されている。広田家の対応は、木村兵太郎陸軍大将の遺族とは正反対だが、太平洋戦争開戦時に(参謀本部ではなく)陸軍省首脳であった木村大将や武藤彰陸軍中将の遺族の無念も理解できる。

さて、軍人たちとは全く違う次元で戦争の時代を生きた政治家、広田については、

が、その人間像を余すところなく描ききっている。昨今の「靖国問題」に関心をお持ちの方は、終戦記念日前に是非ご一読を。また、木村、武藤に関する私の上記意見にご関心の向きは、

をどうぞ。

寳貨偽造

「耳を揃えて」という言葉がある。決して札束をきれいに揃えるという意味ではない。江戸時代、小判の縁を削って両替屋で換金する輩がいた。金だから少量ずつでもやがては大きな額になる。削られた小判の方は、というと、市中では1枚1両で流通することが可能だが、両替屋に行くと、秤量貨幣として目方が計られ、重さで価値が変わる。だから、「縁の削られていない規定通りの目方の」というのが「耳を・・・」の意味になる。かつて10円玉の縁にギザギザがあったのも、削り取りを防止するためだ。

偽造500円玉が大量に流通しているらしい。報道で見る限り、あまり精巧とはいえないが、それなりの型を作り、目方を計った地金を打ち出して作っているようだ。日本国内では到底割りに合わない仕事だから、おそらくはアジアのどこかの国で作られているのだろう。世界でもっとも高額な硬貨だから、狙われても不思議はない。

金融機関では当面、特にATMで硬貨の使用を制限することになるだろう。窓口でも相当に警戒して処理が行われるのは必至だ。通貨は国の信用そのものだから、偽金を根絶するために厳しく事に当たるのは当たり前なのだが、ちょっと困ったこともある。かなりの数が溜まっている私の500円玉貯金、どうしよう。

去年は400枚を一気に窓口に持ち込み、一眼デジカメの支払いにあてた。だが今、100枚単位で金融機関に持って行くのは、かなり危ない。新しい三脚を買いたかったのだが・・・。

これは困ったねぇ

新聞によると、「平成の大合併」で新たに誕生する自治体の名前に似通ったものが多くなり、混乱のもとになりそうだ。

ソース

山梨では昨年、甲府市の西に「甲斐市」が、今年は「甲州市」が誕生するという。言うまでもなく「甲斐」は山梨の旧国名。州は清以前の中国で広く使われた地方行政区画で、日本では旧国名の一字に州の字を付けて呼称する(武州、相州の類)ことが一般的だった。だから「甲斐国」=「甲州」。「府」は地方庁またはその場所という意味で、甲斐の国府があったから甲府。これでは混乱するなという方が無理というもの。伊豆、常陸、越前でも、旧国名をもとにしたまぎらわしい自治体名があるという。
観光地や特産物で知られた旧国名を使いたいという気持ちもわからないではないが、ことは自治体の正式な名称。埼玉県内に「浦和」とつく駅がごろごろあるのとは訳が違う。住民の帰属意識にも関わる問題ではなかろうか。
日常的に旧国名を多用する私は、かなり困る。

なんと申しましょうか

新聞によると、国土交通省自動車交通局は、政府の進める規制緩和方針に抵抗し、「車検期間を延長すると事故や環境汚染が増加する」という報告を発表するという。
報告は、「死傷者600人増」といった具体的数字を盛り込んでいるが、省内からも異論があるらしい。
ここでくどくどしく述べるまでもなく、この新聞記事を読んだ者の過半は、[関連業界の権益確保]→[天下りOBの利益保護]→[将来の天下り先確保]という図式を思い浮かべるだろう。もしかしたら、我等愚昧な国民には到底理解不能な、崇高な理念でも隠されているのかもしれないが、それにしても、敢えてこんな報告を発表しようという役人の神経、否、根性には敬服すべきか。それとも・・・。

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