情報って何だ?

先ごろの道交法改正で、駐車違反を犯した運転者が反則金を納付しない場合、使用者に放置違反金の納付を命ずることができるようになった。

ところが、読売新聞によると、札幌市など一部の自治体が、警察からの照会に対し、守秘義務を楯にバイク(原動機付自転車)に関する所有者情報の開示を拒否し、ために違反金徴収が滞っているという。原付きに関する所有者情報は、登録地の自治体が保有する課税資料しかなく、このままでは、「札幌なら原付きは放置し放題」ということになる。

札幌市の対応は、個人情報保護法施行以後の「情報秘匿ラッシュ」と同一軸線上にあるものといえよう。開示したことによりどこからか文句をいわれるより、非開示にして殻に閉じ篭もった方が安全だ、という役人一流の防衛本能を垣間見る思いがする。更に、開示する手間より、「拒否」と一言伝える方が手間がかからない、という絶妙なコスト意識も。

こんな戯けた自治体の対応まで生んでしまったのだから、国はそろそろ、本気で「情報」についてコンセンサスを作る必要があろう。「守られるべきプライバシー」「保護と利用のバランスが肝要な個人情報」「公共の福祉に適う行政情報」が渾然一体となって、ある時は不当に秘匿され、ある時はセキュリティレベルの低いパソコンから流出する今の日本は、どう考えても異常だ。

簡単な線引きができるような単純な問題ではないが、時間の経過が解決してくれることは断じてありえないのだから、情報に関する法体系の一からの整備が必要だと考える。

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