年が明けてもやっぱり忙しい

イヤな忙しさが続いている。

既に入試のシーズンに突入し、少し遅れて学期末の諸行事が迫りつつある。今年度は教務関連の御役(懲罰という噂もかなりの信憑性が…)が相当の負荷になっているが、初期のウィンドウズのような疑似マルチタスクですら真似できないロートルには、諸々の「楽しみ」を削って勤めに励む以外に道がない。これで日銭でも入るなら、真空管とかパーツとか、パーッと買って憂さを晴らすところだが、働けど働けど……(/_;)

泣いていても始まらないので、研究日返上で仕事に向かうことになる。

先週、最後のゼミの時間を使って、県警本部の通信司令室を見学させていただいた。別の講義でお世話になった地域課長さんに恐る恐るお願いしてみたところ快諾して下さり、とんとん拍子で実現に至った。

小さな県であるから司令室も決して大規模なものではないが、市民からの第一報を受信し、瞬時に適切な指令を発するために必要な機材が、ぎっしりと詰め込まれている。ここで年間数万件の110番を受信するということで、見学中にも何本もの通報が入っていた。写真の左隅に見える黄色のランプはまさに受信中の指令台を示す。

指令室に入ると、室長さんが司令室の役割、機材の機能など、丁寧に説明して下さる。そして、ゼミ生に模擬通報受信の体験までさせて下さった。
将来警察官を目指す3年生諸君は勿論、卒論で目が回っている4年生諸君にとっても、意義深い見学となった。

専らこういうことで忙しいのなら、まだ救われるのだが。

有り得可からざる年の初めに

寝ていたので全く見ていないが、今日の未明、月食があったらしい。我が国では明治6年(1873)の1月1日から太陽暦が採用されるが、それ以来初めて観測される元日の月食だ。それ以前の太陰太陽暦では新月を1日とするのだから、月は出ない。
女郎の誠と卵の四角 あれば晦日に月が出る
と、戯れ歌に歌われるくらいだから、朔日の月などあり得ないことであり、元日で、その上月食となれば有史以来の大珍事といえる。そんなあり得ないことで始まった2010年に、一体どんなことが起こるのだろうか。

元旦の月が欠けたからといって、女郎の手練手管に誠を見ることはできまい。当世でいえば、選挙公約がこれに当たろうか。紋日近くに届く女郎の文を本気にする野暮がいないのと同じくらい、選挙カーの音質最低のメガホンで叫き散らす「公約」とやらを信じる選挙民は、永田町界隈では浅黄裏扱いされていたに違いない。「マニフェスト」などと読み替えてみても、元はあの「公約」だ。

そのマニフェストを墨守するのと改変するのと、どちらがより誠があるか。できないことを「できる、する」と言いつのり、時の利を失い国民の利益を損なうことと、できないことをできないと認め、できることに切り替えて国民の期待に反すること。ともに、国民への裏切りであり、信を失うこと著しい。問題は、できないことをマニフェストとして国民に示すことだ。国権の最高機関を構成する国会議員が、よってたかって女郎の手紙程度のものしか書けないことがそもそもの間違いだ。それを墨守するなど、狂気の沙汰である。極論すればただの看板、チラシや張り紙のポップ同然の、誰が考えたのかも怪しいような文章を国民に示したことが、諸悪の根源なのだ。

「成長戦略」などという絵に描いた餅は、煮ても焼いても食えない。第二のマニフェストになるのは時間の問題だろう。これ以上、時の利を失っては取り返しがつかない。何もせずに時を移すのなら拙速の方がまだ前向きだ。

老母と猫たちが穏やかに暮らせる世の中であれば、多くは望まない。でも、それが一番の贅沢だ、などと言われる世の中にしてはいけない。
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