これは喜ぶべきことなのだ

後期の講義開始が2週間とちょっと先まで迫り、微妙に落ち着かない毎日です。この秋は、多分、未体験のお仕事シーズンで、自分の本来の勉強は、いつか発表できるレベルに達することを信じてひたすら準備するのが精一杯、と覚悟していました。ところが夏から始まった共同研究に手を染めてみると、やはり好きな時代の好きなテーマを勉強するのは楽しく、「研究室では『仕事』、『勉強』は自宅」という方針を無視し、研究室でもついつい、手に入れたばかりの史料を読み込んでいます(要するに締切りがあろうがなんだろうが「仕事」はしてない、の意)。

ところで、一門の学風というか、「史料のないこととは書けない」という大方針があり、ほんの数文字を書き足すためにも、原史料探しは欠かせません。非常に辛い作業ですが、見つかった時の充実感は何物にも代え難く、目録を繰っていく日々が続きます。そう、扱う時代が古いので、どうしても手で目録を繰り、所蔵機関に足を運んで史料と対面するというアナログ(アナクロ?)な手法は健在です。ですが、一方でデジタル技術が長足の進歩を遂げ、ユビキダス社会の片鱗が見える昨今では、法制史のような学問でも、ネット経由で検索しデジタル化された画像データを端末から取り出す、といった今様な手法も有効になりつつあります。

新旧どちらも、研究職なら使えなければならない手法で、先日も、ある史料を探してネットを彷徨い、所蔵機関の当たりを付けてから勤務先図書館のリファレンスに相談を持って行きました。成果を文章にまとめる場合、最大で1行加わるかどうか、という程度の事柄を確認するため、ある史料を閲覧したいのです。私が見つけた所蔵機関は北海道大学。

「これは後期が始まる前、かつ出張旅費が枯渇する前に飛んでしまおう。閲覧は10分もあれば終わるから、あとは楽しく観光だ\(^o^)/」

という企みを秘めたまま調査を頼んだのが金曜日。で、今日早速答えが。

「貴重書だから借用は無理でしたが、ここから一番近いところだと、中央線で1時間弱のところにありました。行くとすぐに見られるそうですよ(^_^) 」

うちのライブラリアンが優秀すぎるということを忘れていました。_| ̄|○
『風のガーデン』の風景を見たかったなぁ・・・

往復(と観光)で数日使うつもりが空いてしまったので、大人しく「仕事」します。
calendar
<< 長月 2009 >>
SunMonTueWedThuFriSat
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930   
selected entries
categories
archives
recent comments
recent trackbacks
profile
others