2008.07.15 火曜日 22:11
失敗に関する最近の雑感
・困った世の中になったものだ。原油高騰で漁船の一斉休業や抗議のデモが、日本だけではなく世界中で広がっている。燃油代の補助、補填を求めてのことだが、およそ経済政策の実施実績を持たない我が政府に、何かを期待しなければならないとしたら、この上もなく不幸だ。
・ただ、せめて食料安全保障について、少しは真剣に考えてみたらどうだろうか。燃油で困るのは漁船だけではない。世界中から食物を運んでくる貨物船が喰う重油だって暴騰している。それは確実に価格に転嫁されるだろう。
・銀行の破綻なんて歴史の教科書の中の出来事かと思っていたが、今日、銀行の破綻を引き金にアメリカ発の世界同時株安が起った。神の見えざる手に導かれたはずの市場が投機マネーにまみれても、資本主義社会にはこれを制御する力がないとは、なんとも皮肉だ。今週中に、我々は「第二次世界恐慌」の目撃者になるのかもしれない。そうなれば、最速の通信手段が電信だった「第一次」とは比較にならない高度情報化社会で、「負の情報」が無気味な歪みを伴いながら増幅し、光の速度で伝播するさまを目撃しなければならない。
・さしあたり、「第一次」の時、我が政府がどれほど愚策無策で後手に回り国富を亡失したか、教科書に明示しなければならないだろう。
会津で慣れているはずの盆地の暑さだが、この歳になるとやはり厳しい。「ガラスの勤労意欲」は実は「氷の勤労意欲」だったのかも知れない。砕けるまもなく解けて蒸発してしまった。
日常業務に穴を開けないこと、それだけを念頭にデスクに向かうが、緊張感を欠くと危ない。薬の副作用は治まったが、穏やかに夏休みを迎えるために、些細なことでもミスなどしないよう、細心の注意を払うことは勿論だ。2年目になり、研究室に現れる学生諸君も少しずつだが増え、彼らとの会話が励みになる。前任校と違い福島県民が結構在学しているから、彼らとの交流がなかなかに楽しい。そして研究室の常連になりつつある石川県民も。前任地の「隣国」鶴来出身者がひとり、懐かしい加賀方言で話をしに来る。彼らの福利のために仕事をするようなものだから、当然失敗などできない。
例によってボツネタ経由だが、Tech's all-time top 25 flops(歴史上最もすべったコンピュータ技術トップ25)という興味深いレポートが出ている。思わず笑ってしまうものも、ちょっと分からないな、という感じのものもあるが、やはり笑えたのは第二位にランクインしたVistaだろう。一線を引いたビル・ゲイツは最前からWindowsの「使い難さ」を改善するよう、技術陣に要求していたというが、果たせないまま事実上の「世界一」の不名誉を担ってしまった。第一位になったのが、
この「失敗」のためではないが、PCへの関心が日に日に薄れている。マイクロソフトを追っていたOSメーカーはみな消え果て(携帯端末によるビジネスモデル構築に走った某社とか)、独占による弊害が顕著でも、乗換える候補すらない。コンピュータ用に開発された真空管で低周波増幅回路を書くことが、最近のコンピュータとの付き合い方になったような気がするが、これはこれで見事な失敗だな。
・ただ、せめて食料安全保障について、少しは真剣に考えてみたらどうだろうか。燃油で困るのは漁船だけではない。世界中から食物を運んでくる貨物船が喰う重油だって暴騰している。それは確実に価格に転嫁されるだろう。
・銀行の破綻なんて歴史の教科書の中の出来事かと思っていたが、今日、銀行の破綻を引き金にアメリカ発の世界同時株安が起った。神の見えざる手に導かれたはずの市場が投機マネーにまみれても、資本主義社会にはこれを制御する力がないとは、なんとも皮肉だ。今週中に、我々は「第二次世界恐慌」の目撃者になるのかもしれない。そうなれば、最速の通信手段が電信だった「第一次」とは比較にならない高度情報化社会で、「負の情報」が無気味な歪みを伴いながら増幅し、光の速度で伝播するさまを目撃しなければならない。
・さしあたり、「第一次」の時、我が政府がどれほど愚策無策で後手に回り国富を亡失したか、教科書に明示しなければならないだろう。
会津で慣れているはずの盆地の暑さだが、この歳になるとやはり厳しい。「ガラスの勤労意欲」は実は「氷の勤労意欲」だったのかも知れない。砕けるまもなく解けて蒸発してしまった。
日常業務に穴を開けないこと、それだけを念頭にデスクに向かうが、緊張感を欠くと危ない。薬の副作用は治まったが、穏やかに夏休みを迎えるために、些細なことでもミスなどしないよう、細心の注意を払うことは勿論だ。2年目になり、研究室に現れる学生諸君も少しずつだが増え、彼らとの会話が励みになる。前任校と違い福島県民が結構在学しているから、彼らとの交流がなかなかに楽しい。そして研究室の常連になりつつある石川県民も。前任地の「隣国」鶴来出身者がひとり、懐かしい加賀方言で話をしに来る。彼らの福利のために仕事をするようなものだから、当然失敗などできない。
例によってボツネタ経由だが、Tech's all-time top 25 flops(歴史上最もすべったコンピュータ技術トップ25)という興味深いレポートが出ている。思わず笑ってしまうものも、ちょっと分からないな、という感じのものもあるが、やはり笑えたのは第二位にランクインしたVistaだろう。一線を引いたビル・ゲイツは最前からWindowsの「使い難さ」を改善するよう、技術陣に要求していたというが、果たせないまま事実上の「世界一」の不名誉を担ってしまった。第一位になったのが、
1. Security. Computers influence every aspect of our business lives. We trust them implicitly to manage our records, compute our figures, and facilitate our communications. When will we ever learn?ということで、ネットの構造的問題だからだ。
Thirty years into the personal computer era, and it seems like security is only getting worse. Computer viruses and worms, though simplistic in comparison to any useful application, have proven as resilient as the common cold. The Web, e-mail, and instant messaging have given criminals unprecedented opportunities for fraud, scams, and electronic spying.
この「失敗」のためではないが、PCへの関心が日に日に薄れている。マイクロソフトを追っていたOSメーカーはみな消え果て(携帯端末によるビジネスモデル構築に走った某社とか)、独占による弊害が顕著でも、乗換える候補すらない。コンピュータ用に開発された真空管で低周波増幅回路を書くことが、最近のコンピュータとの付き合い方になったような気がするが、これはこれで見事な失敗だな。