2008.03.26 水曜日 23:14
なおかつオーディオ機器を作る
・高速を使って1時間ちょっとで、母の病院に着く。先週末、およそ記憶にないくらい長々しいオペが終わったが、長かった分回復は遅いだろう。こちらに居られるのもあと数日。母が自分の具合よりも心配する猫の世話が気がかり。
・寒暖にかかわらず、気が向くと「話しかけてくる」猫どもとの日々も捨てがたい。ただ、一人でローカルな宗教的(土俗的?)行事をこなすのは、正直言って無理。例年は見るチャンスのない「彼岸獅子」を見れたから、これまたよしとする。
憧れの送信管アンプ(その6)
SV-2(2003)に付いている真空管は中国製。西側先進国で選別した特性の優れたものだというが、私の知る範囲では、これらよりも良いとされる球は無数にある。ただ、球を換える前に、現在の球をある程度こなれた状態にしなければならないだろう。必要程度のエージングが進み、球本来の音が出て、それが満足できないときに交換というチョイスが現実化する。そうじゃないと、最悪、音ではなくブランドを基準に大枚をはたくことにもなりかねない。
ただ、SV-2に使われている3種類の真空管のうち、初段とドライブ段の球は、付属品よりも良いと確信するものを既に持っている。キット屋さんから買っておいた松下製の12AX7、そして前任校のY先生に頂戴したKT88だ。およそ100時間の慣らし運転が終わった頃合を見て、まず12AX7を換えてみた。未使用品だから改めてエージングが必要だが、換えた直後から顕著な音の変化に驚く。あきらかに輪郭が鮮明になり、定位性が高まった。カメラのピントがスッと合うときのような感じで、音の「細部」まで明確に聞こえる。
これまでKT88を搭載し、当家の「メインアンプ」として活躍した初号機と並べてみる。TU-879Sはコストパフォーマンスも完成度も高い、非常に優れたアンプキットといえる。はんだ付けができて、真空管アンプを自作したい向きには、迷わずこれに挑戦することをお勧めする。だが、SV-2はふた桁くらい違う。十分に良い音を聞かせてくれるKT88の後に845というどでかい送信管が待ち構えているわけで、出で来る音の「密度」が圧倒的に違う。情報量が多いのだ。これまで聞こえなかった小さな音、気配まで再生される。けっして大音量で鳴らすわけではないが、非常に多くの情報が増幅されて出てくるのだ。あたかも、非常に精度の高いレンズ越しに美しい音を見ているような感じ、といえばいいだろうか。何気なく聴き流すことができない、ついつい引き込まれてしまう音なのだ。たっぷりとした厚み、幅をもった中低音はとてもシングルとは思えない。伸びやかな高音は、これが送信管の音、とでも言うべきもの。音はもちろん、姿もいい。
トリタンフィラメントは、この光り方がまたいい。
数日後、ドライブ段のKT88をGoldLionに換えてみたが、こちらは変化を感じない。中国製が優秀なのか音質に与える影響が少ない部分なのか、わからないが、せっかくだからイギリス製を使うことする。
・寒暖にかかわらず、気が向くと「話しかけてくる」猫どもとの日々も捨てがたい。ただ、一人でローカルな宗教的(土俗的?)行事をこなすのは、正直言って無理。例年は見るチャンスのない「彼岸獅子」を見れたから、これまたよしとする。
憧れの送信管アンプ(その6)
SV-2(2003)に付いている真空管は中国製。西側先進国で選別した特性の優れたものだというが、私の知る範囲では、これらよりも良いとされる球は無数にある。ただ、球を換える前に、現在の球をある程度こなれた状態にしなければならないだろう。必要程度のエージングが進み、球本来の音が出て、それが満足できないときに交換というチョイスが現実化する。そうじゃないと、最悪、音ではなくブランドを基準に大枚をはたくことにもなりかねない。
ただ、SV-2に使われている3種類の真空管のうち、初段とドライブ段の球は、付属品よりも良いと確信するものを既に持っている。キット屋さんから買っておいた松下製の12AX7、そして前任校のY先生に頂戴したKT88だ。およそ100時間の慣らし運転が終わった頃合を見て、まず12AX7を換えてみた。未使用品だから改めてエージングが必要だが、換えた直後から顕著な音の変化に驚く。あきらかに輪郭が鮮明になり、定位性が高まった。カメラのピントがスッと合うときのような感じで、音の「細部」まで明確に聞こえる。


数日後、ドライブ段のKT88をGoldLionに換えてみたが、こちらは変化を感じない。中国製が優秀なのか音質に与える影響が少ない部分なのか、わからないが、せっかくだからイギリス製を使うことする。