2005.09.12 月曜日 13:44
選挙雑感-1
自民党が歴史的勝利を収めて幕を閉じた総選挙。これについて思うことをつらつらと。
◇マニフェスト選挙
地域への利益誘導を最大公約に掲げて土下座してみせる前時代的候補はさすがに減ったようだが、「政権公約」というものが本当に定着したかというと、答えは「No」だろう。
A党の公約には8割賛成、B党のは6割賛成できる。そこでA党を支持しようかと思ったら、支持できない2割のなかに、死んでも許せない項目が一つあった、としたら、一体どうするだろうか。
またしても実現しなかった「健全な二大政党制」が本物になったら、この問題が重要になるだろう。でも現時点では、こんな公約より眉間に貼った膏薬のほうが遥かに効き目がある。
◇刺客
夏のスクーリングでちらっと話した記憶があるが、「刺客候補」などという表現は、有権者を愚弄する以外の何者でもない。自民党は「殺人者」のイメージがあるからこの表現を使うな、とマスコミに申し入れたらしいが、問題はそんなところにはない。候補者は対立候補をどうこうする地位にはないのだ。候補者の「生殺与奪」は、ひとえに有権者の専権だということを肝に銘じてほしい。それを勝手に「殺すの殺されるだの」をイメージさせる「刺客」などと表するのは、我が国の民主主義の未熟さを内外に鮮明にするだけだ。
しかも「刺客」を「しきゃく」と発音することの多さよ。誤用が定着してしまうのは世の流れかもしれないが、「しかく」と発音したのを一度も聞けなかったのは実に残念だ。
ただ、この騒動には2つのメリットが認められる。ひとつは言うまでもなく投票率の向上。もうひとつは、「刺客」、別名「落下傘候補」が縁の薄い選挙区で受け入れられ善戦したこと。代議士が地域の利益代表ではなく国民全体の代表であることを意識したわけではなかろうが、少なくとも道路工事を持ってきそうもない候補者が票を集めたことは評価したい。
◇マニフェスト選挙
地域への利益誘導を最大公約に掲げて土下座してみせる前時代的候補はさすがに減ったようだが、「政権公約」というものが本当に定着したかというと、答えは「No」だろう。
A党の公約には8割賛成、B党のは6割賛成できる。そこでA党を支持しようかと思ったら、支持できない2割のなかに、死んでも許せない項目が一つあった、としたら、一体どうするだろうか。
またしても実現しなかった「健全な二大政党制」が本物になったら、この問題が重要になるだろう。でも現時点では、こんな公約より眉間に貼った膏薬のほうが遥かに効き目がある。
◇刺客
夏のスクーリングでちらっと話した記憶があるが、「刺客候補」などという表現は、有権者を愚弄する以外の何者でもない。自民党は「殺人者」のイメージがあるからこの表現を使うな、とマスコミに申し入れたらしいが、問題はそんなところにはない。候補者は対立候補をどうこうする地位にはないのだ。候補者の「生殺与奪」は、ひとえに有権者の専権だということを肝に銘じてほしい。それを勝手に「殺すの殺されるだの」をイメージさせる「刺客」などと表するのは、我が国の民主主義の未熟さを内外に鮮明にするだけだ。
しかも「刺客」を「しきゃく」と発音することの多さよ。誤用が定着してしまうのは世の流れかもしれないが、「しかく」と発音したのを一度も聞けなかったのは実に残念だ。
ただ、この騒動には2つのメリットが認められる。ひとつは言うまでもなく投票率の向上。もうひとつは、「刺客」、別名「落下傘候補」が縁の薄い選挙区で受け入れられ善戦したこと。代議士が地域の利益代表ではなく国民全体の代表であることを意識したわけではなかろうが、少なくとも道路工事を持ってきそうもない候補者が票を集めたことは評価したい。
comments