北京の君が代

迂闊であった。

毎年のご奉公の日程が決まるのは年度が変わるより前のこと。常宿は、「ボランティア秘書」のSさんが予約開始日にサクッと取って下さるので、稼働率9割超という人気ホテルに安楽に泊まれる(毎年毎年ありがとうございますです)。チェックイン日が決まるのだから、その日に上京用の指定席を取ればいいのだが、例年、直前でも難なく席が取れていたので、今年も何も考えていなかった。そしてつい数日前、今年の移動日がUターンのピークと重なりそうだと気付いた。時既に遅かった。

結論からいえば、磐越西線も新幹線も見事に座れたが、乗れる電車を待つために一時間以上ロスしている。もしも順調に進んでいたら、例えば宿に入る前に秋葉に寄るとか、好きなことができたのに・・・。

今日は宿で、さっと明日の用意をして休むことにしよう。明日から「ご奉公」だ。


出かける直前まで、実家で母とオリンピック中継を観ていた。母は大昔、バレーボールの経験があり、地元の競技団体の役員もしていたくらいだから、バレーの中継は最優先で観ている。で、怒っている。

私は、スポーツは全然やらず専ら音楽だったので、日本選手の活躍に一喜一憂するという、(多分)平均的日本人の見方をしていると思う。ところが先日、何かの種目で表彰式で、あまり大きな音ではなかったが北京バージョンの「君が代」が聞こえてきた。かつては表彰式の時間短縮のため無茶苦茶なカットが施されたりしたこともあったが、今回は問題なさそうだ。と思った矢先、「えっ」という、狐につままれたような気分に陥った。6小節の1拍目、3拍目に銅鑼が入っているではないか。

6小節の1拍目は「さざれ石の」の「い」の音で、標準の管弦楽アレンジでは、5小節3拍目からのバスドラム、スネアドラムのロールがクレッシェンドし、最大音量に達する点。そこに銅鑼の音が重なると演奏効果は抜群だが、非常に中華風に聞こえてしまう。評価に苦しむ編曲だ。エッケルト以来伝統の和声も若干手が入って、とても「今様」。アメリカ、ドイツの国歌も聞いたが、達者な「今様」の編曲で面白いと感じるが、果たしてアメリカ人、ドイツ人がどう評価しているのか、興味のあるところだ。

comments

防衛省職員 | 2008/08/18 10:29 PM
お久しぶりです。

僕もドラに気が付きました。不思議な感じです。

あと、8小節目も付点4分と8分のところが4分音符2つになってました。
Hara | 2008/08/18 11:16 PM
久し振り。暑かったり雨だったりで大変そうだが、変わりないか。

リズムが崩れているという批判をどこかで読んだが、銅鑼に気を取られて気付かなかった。もう音楽家は引退だな。

悪意があっての改編とは思わないが、時として日の丸を燃やして気勢を上げる国でのことと思うと、些か複雑な気分だ。

まぁ、国旗国家法に所定の楽譜はスラー一つないデタラメだし、圧倒的多数は気付かないままスルーしちゃうのかな。できれば心の赤い方々の意見も聞いてみたいよ。

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