2007.12.28 金曜日 22:03
オーディオ機器を作る 又
このエントリが『パイプのけむり』のように続いたら、それはとても幸せかな、などと不遜この上ないことを考えつつ。
ここまでメインに使ってきたオーディオ機器は、バブル絶頂期に購入した普通に高級な「ピュアオーディオ」マシン。世の趨勢か、後継機種が出ず、「最後のピュアオーディオ」とでもいうべきマシンで、いつも音楽を聴いていた。
アンプは金沢の湿度にやられ、いくつかのスイッチに「ガリ」が出るようになり、CDPは、稼動部分のゴムパーツがいかれた。こんなトラブルのたびになんとか修理をし、「端整」と評するのがふさわしい音を鳴らし続けた。
ところが、アンプを真空管(TU-879S with KT88)に変えると、「音の広がり」に驚嘆した。従前の石のアンプで出てくる音は、二つのスピーカの間にピタッと定位し、額に入れた絵のようにくっきりとした二次元的な音像だ。これに対して球から出る音は、奥行きが顕著だ。三次元というと大げさだが、自分の耳からスピーカの向こうの壁まで、音が広がっている。どちらも良い音だが、あきらかに石とは違う球の音は、非常に魅力的だ。
すると今度は、球のアンプから出る音をより良くするにはどうすればいいか、と考え、DAコンバータを変えるという方法を試すことにした。
ここまでメインに使ってきたオーディオ機器は、バブル絶頂期に購入した普通に高級な「ピュアオーディオ」マシン。世の趨勢か、後継機種が出ず、「最後のピュアオーディオ」とでもいうべきマシンで、いつも音楽を聴いていた。
アンプは金沢の湿度にやられ、いくつかのスイッチに「ガリ」が出るようになり、CDPは、稼動部分のゴムパーツがいかれた。こんなトラブルのたびになんとか修理をし、「端整」と評するのがふさわしい音を鳴らし続けた。
ところが、アンプを真空管(TU-879S with KT88)に変えると、「音の広がり」に驚嘆した。従前の石のアンプで出てくる音は、二つのスピーカの間にピタッと定位し、額に入れた絵のようにくっきりとした二次元的な音像だ。これに対して球から出る音は、奥行きが顕著だ。三次元というと大げさだが、自分の耳からスピーカの向こうの壁まで、音が広がっている。どちらも良い音だが、あきらかに石とは違う球の音は、非常に魅力的だ。
すると今度は、球のアンプから出る音をより良くするにはどうすればいいか、と考え、DAコンバータを変えるという方法を試すことにした。
ネットであちこち彷徨ってみると、数年前、自作DAコンバータがひそかに流行したらしい。適当なLSIが流通し、工夫の成果をネットで公開してくれる人物が多く存在した。だが、2007年の現在、状況は正反対で、自作は非常に難しい状況だった。
有力な候補となったのは、既述の「キット屋」さんで扱っているModel2だった。音質に定評のあるコンバータ用LSIを使い、アナログ化した直後に真空管によるバッファアンプを一段。キットは完成基盤を組み込んで配線するだけで、非常に簡単だ。問題は、月々の生産台数が少なく、「買おう」と思ってHPを見るといつも「予約受付中」になっていることだけだ。WE標準箱を買ったとき、店主の大橋氏にこの点を質問してみたところ、入荷予定の大略を教えていただいたので、10月締め切りの仕事の仕上がりを見越し、月末に入手できるよう、オーダーをかけた。
届いたキットは、予想通り簡単。

丈夫そうなケースに少数の部品を組みつけていくだけ。

でも効率的に作業するには手が足りないので、近所のホームセンターから迎えた「相棒」がいつも大活躍してくれる。

これが心臓部、というかほぼ全部に相当する基盤。裏を見ると、決してきれいな造りではない。実用に問題のないレベルだが、かつての国産機器とは比較にならない。

このコンバータが大きいのではなく、アンプが非常にコンパクトにできている。アンプのときもそうだったが、真空管は別なメーカー製に変えると極端に音が変わる(こともある)。このDAコンバータに使われているのは、6DJ8という高周波用低雑音双三極管。標準でついてくるのはロシア製の現行品だが、この手の真空管は全盛期に作られたものの方が、(仮に中古でも)現行品より優れているということがままある。

パチものも多いが、オランダ製アンペレックスを入手しておいた。

キット屋さんで一緒に購入した旧チェコの軍用真空管。これもいい音。
さて肝心の音質だが、このModel2を通すと、音像がスッと締まる。アンプだけのときは好き放題広がった音像が締まり、弦を飛び越して出てくることもあったTpやFlが、本来の場所に落ち着く。定位性が改善されたと表現するのが適当だろう。それにしても奥が深い。
有力な候補となったのは、既述の「キット屋」さんで扱っているModel2だった。音質に定評のあるコンバータ用LSIを使い、アナログ化した直後に真空管によるバッファアンプを一段。キットは完成基盤を組み込んで配線するだけで、非常に簡単だ。問題は、月々の生産台数が少なく、「買おう」と思ってHPを見るといつも「予約受付中」になっていることだけだ。WE標準箱を買ったとき、店主の大橋氏にこの点を質問してみたところ、入荷予定の大略を教えていただいたので、10月締め切りの仕事の仕上がりを見越し、月末に入手できるよう、オーダーをかけた。
届いたキットは、予想通り簡単。

丈夫そうなケースに少数の部品を組みつけていくだけ。

でも効率的に作業するには手が足りないので、近所のホームセンターから迎えた「相棒」がいつも大活躍してくれる。

これが心臓部、というかほぼ全部に相当する基盤。裏を見ると、決してきれいな造りではない。実用に問題のないレベルだが、かつての国産機器とは比較にならない。

このコンバータが大きいのではなく、アンプが非常にコンパクトにできている。アンプのときもそうだったが、真空管は別なメーカー製に変えると極端に音が変わる(こともある)。このDAコンバータに使われているのは、6DJ8という高周波用低雑音双三極管。標準でついてくるのはロシア製の現行品だが、この手の真空管は全盛期に作られたものの方が、(仮に中古でも)現行品より優れているということがままある。

パチものも多いが、オランダ製アンペレックスを入手しておいた。

キット屋さんで一緒に購入した旧チェコの軍用真空管。これもいい音。
さて肝心の音質だが、このModel2を通すと、音像がスッと締まる。アンプだけのときは好き放題広がった音像が締まり、弦を飛び越して出てくることもあったTpやFlが、本来の場所に落ち着く。定位性が改善されたと表現するのが適当だろう。それにしても奥が深い。
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