牛乳よ、お前もか?

バナナが好きだというと、よく馬鹿にされた。珍しくもなく、極端に糖度が高いわけでもなく、至って安価な果物で、あえて「好きだ」というほどのものではない、と、見られているのだろう。だが、手っ取り早い炭水化物摂取法として知られ、歴史上の知識として、病気にならなければ食べられない貴重品だった過去もある。

ところが全国的なブームのせいで、ここ甲府でも「品切れ」「品薄」が続いている。型がよく、味も濃厚な「高級品」には、とんとお目にかかれなくなった。急激な需要に対応しようにも、何分輸入品だから、今日明日に流通量を増やすわけにはいかない。納豆の悲劇も記憶に新しいから、関係者も判断に困るのではないだろうか。

そんな折から、こんなニュースを見た。これはかなりマズい。今年の上半期、バターの品薄を解消するため、メーカーや農協が原乳の増産をもとめようとしても、乳牛の処分を含む減産を実施した後だったので、酪農家を怒らせるだけだったとか。この上「ダイエット」などという甘美な冠が乗ってしまったら、とんでもないことになるかもしれない。朝食にバナナ牛乳を飲むのが流行り、一気に品薄に陥ったらどうしよう。好物の低温殺菌牛乳や、脂肪分の高い加工乳が買えなくなったら非常に寂しい。

ただ、私の体型は、バナナとも牛乳とも無関係だと断言できる。

暮れてもオーディオ機器を作る

もう恐慌寸前という市況を眺めると、歴史系研究者の常というか、1920年代の知識を引っ張り出してはため息を。このままでは小遣いが減ってアンプ作り計画に齟齬が・・・バキッ!!☆/(x_x)

昭和の金融恐慌は、時の大蔵大臣の「失言」が引き金になりました。財政、金融当局は、どんなに非難されてもオプティミストのふりをする必要があるかもしれません。些細な気配の悪化が、とんでもない事態を呼んでしまいますから。せめて歴史に学びましょう。


6B4Gシングルアンプを作る(その2)

回路を考える、といっても、ずぶの素人の悲しさ、ネットや本を眺めては、自分でも作れそうな難易度かどうかを基準に、使ってみたい「部分」を集めることに終始した。並行して、秋葉をはじめ、各地のパーツショップをネットで巡回しつつ、良さそうなパーツを物色する。選択基準はやはり価格。在庫があって待たずに手に入れられることも重要だ。ここで長期間待たされては、気合いが空回りしてしまう。

さて、回路だが、とりあえず信号系と電源系を分けて考えてみることにした。参考にしたのはネットで公開されている作例のほか、教科書兼参考書として、松並希活『直熱&傍熱管アンプ』森川忠勇『オーディオ真空管アンプ製作テクニック』をじっくり読み込んだ。森川氏の回路で紹介されているグリッドチョークを、氏のショップ「オーディオ専科」で購入することにした。また、松並氏の本からは、ヒーターバイアスの理屈やプレート損失の考え方など、大事な基礎を勉強した。両書とも、カラー写真付の作例が非常に参考になる。

電源部は、π型平滑回路でリップルを取るという方針が決まった。そこでまず、PSU Designer IIというフリーソフトで、フィルタの効き具合と電圧降下のバランスをみることにする。現実に組み立ててみないと所定の電圧が取れるかどうかわからないが、リップルの具合はグラフで見ることができてありがたい。

信号系は、本での勉強に続いて、Spiceで電圧や抵抗を弄ってはシミュレート結果を比較してみる。そしてグリッドチョーク結合の第二案を得た(ちなみに第一案はふつ〜のCR結合だった)。

これをもとに電源を再検討し、パーツの発注へと進もう。
(回路図作成には、水魚堂さんの「回路図エディタBSch3V」を使わせていただきました。)

明けてもオーディオ機器を作る

熱波が去り、晴天の日中でも日差しが心地好く、パソコンラックに仕込んだ小型アンプの輻射熱も苦にならない、良い季節になりました(^―^) 。ところが、待ちに待った「自作の秋」を満喫するつもりが、なんやかやと仕事が追いかけてきて、思うに任せません。

先日、教科書の段取りなどの相談に、学内の○善に行った時のこと。書籍プロパー(と思しき)スタッフ女史と、時間的に厳しい販売スケジュールや献本など、いくつかの確認事項をサクサクと片付け、それじゃあ研究室に戻るか、と歩きかけたところで、陳列棚に珍しい雑誌があることに気づきました。季刊『管球王国』。今年の夏に出た本です。表紙が見えるように置かれていますが、誰か手に取った気配もありません。

件の女史に、「こんなもの、買う人いるの?」
その本をチラ見した女史「いませんよ〜、こんなぁ( ̄ー ̄)。時々入ってきちゃうんですよねぇww」
売れないものが入荷しちゃっていかにも迷惑って感じで答えた次の瞬間、そう問いかけたのが私だと気づいた女史「え、いやっ、その、先生のご趣味を考えて入れさせていただきまして・・・・、すいませ〜ん」

あまりにもベタな展開で暫し爆笑。「一冊貰ってくよ」
女史「ありがとうございます。ほんと、すいません。あせあせ」
にっこり笑って「三月ほど祟るね」
女史「せんせ〜(ToT)」


6B4Gシングルアンプを作る(その1)

春まだ浅い3月。初の自作となったトランスプリに気を良くして、次のターゲットに、ロシア球屋のFさん絶賛の6C4C(以後は元になったアメ球の「6B4G」に統一して表記)でシングルを作ることを決心した。6B4Gは、オーディオ球としていまだに人気の高い(ロシアや中国などでは生産が続いている)2A3のフィラメントを、使いやすい6.3Vに上げたもの。比較的遅い時期に製造された球が多く、高い真空度が保たれていて状態が良い等々、書籍、ネットの記事などから蘊蓄を吸収しまくる。

続いてお手本となる作例集め。2A3シングルの作例は非常に多く、6B4Gシングルもかなり作られているようだ。この球をシングルで使うと、出力はチャンネルあたり3W程度と、手持ちの半導体アンプの100W+100Wと比べると、見劣りするどころの騒ぎじゃないが、シンプルな二段増幅でも無理なく完成する。初段、整流管もFさんから買った6SL7、5U4Gと決めているから、他の球による作例はとりあえず外しても、随分沢山のお手本があって有り難い。

だが、第一作の328互換トランスプリのように、完成した回路をまるっきりコピーするのも面白くない。とはいえ、設計できるほどの知識は当然にない。ならば切り貼り、つぎはぎなら何とかなるのではないだろうか、と、作例の数々を眺めては、思いにふける。切った貼ったにも相応の知識が必要で、理屈が足りないところはSpiceでシミュレートを繰り返し、理論上動くことを確認する。

初段は6SL7のSRPP、誰でもできるCR結合だが、出力段のグリッド抵抗には「グリッドチョーク」を使ってみよう。バイアスは勿論自己バイアス。このあたりまで考えが纏まって、パーツの物色にかかる。今回もネット通販だけですべての部品を集めることにして、以前使ったショップ、初めてのショップなど、あちこち見て回る。すると予定外のパーツが見つかったりして、回路にも変更が出るが、こんな変更なら大歓迎。

作り始める前、というかお金を使い始める前の、この構想段階(妄想?にちょっと具体性の粉をかけた程度)が一番楽しいかもしれない。
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