新しい家族

14日月曜日、梅雨入りを告げるような土砂降りの朝、母の実家付近で床下浸水の被害が出た。母の実家は喜多方の家から徒歩数分。今は誰も住んでおらず、母が管理する傍ら、野良猫数匹を飼っている。そのあたりで被害が出たとかで、自治会長が市役所に連絡し、まもなく土木課から担当者が駆けつけてくれた。

母が立ち会い、復旧作業が始まった。家の横を流れる用水路に誰かが石を入れて流れを変えたところ、折悪しく大量の雨水が流れ込んで溢れたことが分かり、石が取り除かれ、水はすぐに引いた。ところが水路の下流の方で鳥のような鳴き声(母談)がする。見回すと、1mほどのコンクリート製側壁で固められた水路に10〜20cmくらいの水が流れているが、側壁際に子猫が一匹、ずぶ濡れになっている。落ちたのか、捨てられて流されたのか、壁が高くて這い上がれず、甲高い声で鳴いている。

迷わず水路に入ろうとする母を押さえて、土木課のおじさん達がゴム長で水に入って捕獲を試みるが、子猫は全力で逃げ回り、素手で捕まえることができない。そうこうしているうちにご近所さんが柄のついた網を使って水路の片側をふさぎ、土木課のおじさんが反対側から子猫を網に追い込んでくれた。母は引き上げられた子猫を木綿の袋に入れ、大急ぎで帰ってきた。

(月曜日のツイートに続く)

月曜に携帯カメラで撮った写真を少々。

ケージを買いに行くまで仮に収容したバスケットの中で震える「つくし」。最近は喘息気味の三女を動物病院に連れて行くために使っていた。

床暖房を入れた部屋で濡れた体を乾かし、買ってきたばかりの新しいケージに。

生まれついての野良らしく、タオルや人工的な道具の上を嫌ってケージの隅にうずくまる「つくし」。

暖かく、エサもあることに戸惑い、同時にケージの狭さに当惑する。

たまたま食事に戻った四女が、つくしの声にちらっと反応し、「なんだ?こいつ」って顔をして一声鳴いた。するとつくしがケージに駆け寄って四女に話しかける。だが四女は関心なさそうに出て行ってしまった。残されたつくしは、かなり寂しそう。

可愛そうだが、しばらくはケージ入れてまず母に慣れさせ、段階的に室内で遊ばせ他の猫たちとも馴染ませる、という方針を確認したところでタイムアップとなった。健康診断、予防注射の費用を母に預け、私は甲府に戻った。

つくしの世話を始めた途端、母の物忘れが止まったようだ。新しい小さな家族を無事に育てなければならないという責任とそれに伴う緊張が、母の意識を鮮明にした。
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