謹賀新年

一年前は汗だくになって雪の山に取りつき、ようやく人ひとりが通れる小道を開くほどの雪だったが、今年は目出度くも土の上に立って日輪を拝み、心温かく新年を迎えた。会津の吉例に従い、元旦の蕎麦を一家で味わう。母の実家に最近迷いこんだパト柄の猫にも対面し、穏やかなる事この上もなし。

昨年と同様、信時潔の「海道東征」で一年の音楽活動を始める。今年は、良い調子に仕上がった真空管アンプにCDプレーヤーをつなぎ、1941年録音のモノラル版を聴く。しかも膝の上には、昨年ようやく入手したスコアが(このスコア入手にお骨折り頂いた諸賢に厚く御礼申し上げます)。けれん味のかけらもない響きは、楽譜を見るとよりよく分かる。譜の間違いもいくつか見つけてしまったが、これは現代の市販譜でもあること。むしろ、普段使いの石の(非常に高級な)アンプでは聴き取れない音の動きを耳と目で追うことが楽しい。

年の始めにふさわしい壮大な叙事詩に続いて、ヘンリック・シェリンクがアカデミー室内管と入れたバッハの「二つのヴァイオリンのための協奏曲」をLPで楽しむ。ソロが際だつこの曲は、新しい真空管アンプの特性とぴったりで嬉しくなるほどの音色。

法律と歴史の勉強を怠るつもりはさらさらないが、音楽や技術系の活動も私の大切な一側面。旧知の御方々はもちろん、今年これから御意を得るであろう皆様方も、この点ひとつお含み置きの上、よろしくお付き合いのほどを願い上げ奉りまする。
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