中間報告

研究室の書棚から本という本、引き出しやキャビネからコピーというコピーが運び出され、段ボール箱に収まりました。数えるのがイヤなので正確には分かりませんが、100を軽く越える箱が、研究室前の廊下に要塞を築いています(隣室の先生方、申し訳ありません)。でも室内に散乱した収まりのつかない小物類、最後まで手元で使っていた道具類、そして壊れ物が、箱詰めを待っています。段取りを組んでくれたOG会幹部、連日の力仕事に従事してくれた吹奏楽部の諸君には、心から感謝します。部員たちには毎日、作業の後で「讃岐うどんこ」のうどんをご馳走しました。私が通いつめたこの見せの味に、彼らもすっかり病みつきになったようで、私が去った後、きっと常連の仲間入りをしてくれることでしょう。

今日は卒業式のリハーサル。慣例により吹奏楽部を率いて参加しました。荷作りの後、短い時間を遣り繰りして練習を積んだ諸君も多く、これまた例年通りいささかの不安はありますが、練習時間の短さと、(自分で編曲した)曲の難しさを併せ考えれば、良く頑張っている、と評価するのが妥当です。曲はドヴォルザークの名曲『謝肉祭序曲』卒業、旅立ちという人生のはなやかなイベントを彩るにふさわしい楽曲です。さて、明日の本番では楽しい祭りになるかどうか。

卒業式後の謝恩会では、部員に交じって演奏します。本来は謝恩される側ですが、部員たちと楽器をいじっている方が絶対に楽しいので、ここ数年はアトラクション用員です。今年は最後の年ということで、部員たちが無理にソロを用意してくれました。練習不足で鳴りが悪くなったフルートで(自称)華麗なソロを演じ、彼らとの思い出を締めくくりましょう。

これが終ったら、自宅の引越し準備です。冷蔵庫の奥やら本棚の隅やらに溜まった不要品を随分捨てましたが、まだ目に見える変化は少なく、突貫作業が予想されます。

リハーサル開場に入る前、市役所で転出手続きを済ませました。ちょっと異邦人の気分です。

Mission Complete

連日の病院通いに一旦けりを付け、夕方金沢に戻りました。母親の退院も決まり、父親もある程度安定しましたので、当初の予定通り、金沢での最後の活動に戻ります。留守中、研究室の整理にあたってくれたOG会大幹部には、感謝の言葉もありません。

昨夜は一件ロシアンブルーの次女が、今朝は長毛の四女が纏わり付いて離れませんでした。特に甘えん坊の四女は、一歩でも動こうとすると両手(当家では前足のことを手という)で私の足を押さえつけ、「いくな〜」と泣き喚きます。爪を立てずに肉球だけで押えようと必死の四女を見ていると、このまま会津で、という思いも過ります。

戻ってみると、いかにも加賀らしい天気。暗く重い空の下、降りしきる冷たい雪に耐えることを想定して、メモリープレーヤーには「異国の丘」やら「雪の進軍」やら入れてあるのですが、これまで全く出番がありませんでした。明日あたり、聴きながら街に出るかな。

一人息子のMission

今回の緊急帰省の中心的な目的を達成しました。父と母がそれぞれ別の病院に入ったため、二ヶ所を車で行ったり来たりしつつ、家の猫の世話をする、というわけのわからない任務のうち、母親に関する重大な部分が完了しました。

でもそのために丸一日家をあけ、とっぷりと日が暮れてから帰ってみると、家の中が微妙に荒れている・・・。普段、留守宅に放置されことのない猫たちが、愛情不足で暴れたみたいです。

会津にいるから当然、金沢で引越しの準備が出来ず、遅れが気になって眠りが浅く困っていたら、OBのO君から「力ずくで進めておきます」という有り難い電話。飛行機と電車で6時間近くかかるところに移っても、彼らとの深い繋がりは決して途切れることはないだろうと、本気で信じられるくらいの善意を投げてくれます。

今夜も長毛の四女が寝室に上がってきました。寝返りが打てなくて寝苦しくても、猫を可愛がるのは当家の家訓(?)。しっかりと守りましょう。

ご報告(その2)&続・名残の宴

お誘いをいただくことが多くなりました。先週土曜と今週月曜も、有り難くお呼ばれしてきました。土曜はブラスの卒業生が、海沿いの有名な寿司屋に招待してくれて、それはそれは立派な寿司をたっぷりとご馳走になりました。彼の在学中の思い出話などに花を咲かせていると、「OBを集めて演奏しましょう」という考えただけでも楽しそうな提案が。ハードルがたくさんありそうですが、是非とも実現させたいものです。

月曜は、長い間お世話になった大先生のお招きで、金沢らしい和食をいただきました。いまのところあと3回、楽しい席に出ることができそうです。

先日、10年以上のお付き合いになった書店の営業さんに、最後の注文をしました。その折、「随分長いお付き合いなのに、カレンダー一本はおろか、手拭い一本貰ったことがないよね」などと談笑したのですが、昨日、彼が社名を染め抜いた手拭いを持ってきてくれました。洒落がわかる営業さん、面倒な注文も迅速に対応していただけて、本当に助かりました。新任地でも貴方のような営業さんに担当していただきたいものです。

よんどころない事情で、明日から会津の実家に帰ります。卒業式の準備も、研究室と自宅の引越準備も放り出して、1週間留守にします。戻ってから、どんな修羅場が待っているか、想像したくありません。戻ってから出校できるのは6日間だけ。大丈夫だろうか・・・・。

3月21日、金沢を去ります。

ご報告(多分)1

春からの新生活に向けての準備が進みつつあります。研究室にはOG会幹部にして新婚のM夫人とそのご主人のご厚意で、大量の段ボール箱が運び込まれました。詰めて運んで、という重労働はまだ先ですが、移転という大イベントがにわかに現実味を増した感じがします。

今日は新居を決めました。拠点が定まって、はっきりと一歩前進です。

客間確保。宿泊可能。対面式キッチンゲット>関係者

名残の宴

最後の音楽活動はまだ続いています。卒業式のオープニングに使う「謝肉祭序曲」は、部員諸君を恐怖のどん底に突き落としたようで、ここまでは予定通りなのですが、謝恩会で、部員諸君と共にする最後の「音楽の時間」に使うJ-POPがなかなか書けません。この曲、二〇年前のリメイクがちょっと流行って、懐かしいと思い私がリクエストしてしまったもので、まさか楽譜が出ていないなんて思いませんでした。

でも残すところあと1ヶ月半。正味40日で自宅と研究室を撤収するのかと思うと、現実逃避以外の解決策が見つかりません。

このブログではまだ書いていませんでしたが、私は本年3月で、14年間勤めた現任校を退職し、4月より関東近県の私大法学部に移籍します。この14年間、本当にいろいろなことがありました。でも今は、同僚諸賢、学生・卒業生諸君、お世話になった方々との思い出が一気に去来し、収拾がつきません。

2月6日には、正規の最後のゼミ生となった卒業生と夕食、10日11日には最強のOG会主催の温泉旅行で、時の移るのも忘れて語り合いました。16日も卒業生と夕食、そして17日には、ゼミ一期生のご招待を受け、10年の時を忘れる楽しい会話と絶品の和食を、心ゆくまで楽しみました。合間には、現任校と退職関係書類のやり取りも始まっています。

これから転居先の確定、引っ越しの手配、そして大量の荷物の処置など、目が回りそうな忙しさが待っています。しかも3月頭には全く予定外の会津行きが。非常にタイトなスケジュールで、一気にいろいろな用務を片付けるためには、これまで以上に多くの方々のご助力を仰がなければなりません。さしあたり、蔵書整理と箱詰めなどを請け負ってくれるOBOG諸君には、近日中に連絡を入れる予定です。

今日は休養

数日前から住みついている風邪が出ていってくれない。熱が出るとか頭が痛いとかいう程酷くはないが、脳味噌の表面に薄い半透明の膜がかかったような感じで、どうにも「キレ」が悪い。今年最初にして現任校で最後の音楽活動を進めなければならないのだが、今日は諦めてぼ〜っと過ごす。

何も考えず、普段見るサイトを回っていたら、/.で面白い記事を見つけた。

それによると、バレンタインデーの仕掛け人であるメリーチョコレートが、「第10回バレンタインどきどき、ワクワク川柳傑作選」を発表した。ちなみに今年はこの仕掛けの五〇周年だとかで、期待して読んでみる。が、テーマが限定されるせいか、どうもピンとこない。この手の川柳の先達、第一生命に寄せられる作品と比べると、ウィットに欠けるというか、なんというか。よく見てみると、作者の年齢がかなり高め。つまり、チョコ一つで一喜一憂する階層より上の世代の方々が多く、達者に、上手にまとまってはいるが、ややリアリティに欠ける憾みを残してしまった感じだ。

この話題を紹介した/.のほうが、秀逸な作品を集めている。例えば川柳ではなく狂歌だが、
義理チョコが 添付ファイルで やってくる jpeg画像が 心寂しき

これに別の読者が、
chocolate.exeとか?
と返してみたり(メールにこんな添付ファイルが付いてきたら、十中八九ウィルスだから開いてはいけません)。

で、これまた狂歌だが、
世の中に たえてメリーの なかりせば 春の心は のどけからまし
私ならこれを一席とする。

ちなみに拙宅には、先週からぽつぽつときれいなラッピングを施した箱が届いています。でもまだ、十分に食べる元気がありますので、心ある方はお早めに・・・。

実務連絡

またしても更新の間隔が・・・。ネタ元は忘れましたが、『ブログの噂も75日』とかいうそうで、約2ヶ月半更新がないと、そのブログは消滅する確立が非常に高くなるとか。

今回、更新せずに放置した理由は、純粋に一身上の都合です。金沢に来てから14年で、もっとも落ち着かない日々を過ごしています。一身上の都合に加えて、大学がもっとも忙しない時期と重なり、大分体力を消耗してしまいました。でもどうやら、大きな波は乗り切ったようです。

で、事務連絡。

研究室の蔵書、またはCDを借り出している者は、2月下旬までに必ず返却するように。

なお今日現在、当方の予定は、
 2/7 夕食会
 2/11〜12 温泉旅行
 2/17 夕食会
 3/10 夕食会
 3/14 卒業式準備
 3/15 卒業式・謝恩会
が確定しているが、今後、加速度的に増えることが予想されるので、面会を希望する者はできるだけ早めに連絡すること。>ゼミ、吹奏楽部関係者

新年初講義

凡そ大学の場合、年が明けたらもう試験が目前なので、落ち着いて講義するのも難しくなりがちですが、今日の講義では年末に届いたVAIO type Uを持ち込んで、これを左の掌に乗せたまま、パワーポイントを走らせて喋ってみました。

細過ぎて使い難いかな、と懸念していたスタイラスも予想以上に快適に使え、下線や矢印など、ほぼ意図した通りに書くことができました。それになんといっても500g台の軽さ。ひとコマ持ちっぱなしでも別段重いと感じることもなく、購入目的の半分以上は達せられた感じてす。もっとも「パワーポイントを操作しながら教室内を移動する」という目標は、教室備えつけのVGAケーブルが太く重過ぎて、あっさり断念しましたが。

細かい操作方法など、あと何回かの講義であれこれ試してみようと思います。

謹賀新年

一年前は汗だくになって雪の山に取りつき、ようやく人ひとりが通れる小道を開くほどの雪だったが、今年は目出度くも土の上に立って日輪を拝み、心温かく新年を迎えた。会津の吉例に従い、元旦の蕎麦を一家で味わう。母の実家に最近迷いこんだパト柄の猫にも対面し、穏やかなる事この上もなし。

昨年と同様、信時潔の「海道東征」で一年の音楽活動を始める。今年は、良い調子に仕上がった真空管アンプにCDプレーヤーをつなぎ、1941年録音のモノラル版を聴く。しかも膝の上には、昨年ようやく入手したスコアが(このスコア入手にお骨折り頂いた諸賢に厚く御礼申し上げます)。けれん味のかけらもない響きは、楽譜を見るとよりよく分かる。譜の間違いもいくつか見つけてしまったが、これは現代の市販譜でもあること。むしろ、普段使いの石の(非常に高級な)アンプでは聴き取れない音の動きを耳と目で追うことが楽しい。

年の始めにふさわしい壮大な叙事詩に続いて、ヘンリック・シェリンクがアカデミー室内管と入れたバッハの「二つのヴァイオリンのための協奏曲」をLPで楽しむ。ソロが際だつこの曲は、新しい真空管アンプの特性とぴったりで嬉しくなるほどの音色。

法律と歴史の勉強を怠るつもりはさらさらないが、音楽や技術系の活動も私の大切な一側面。旧知の御方々はもちろん、今年これから御意を得るであろう皆様方も、この点ひとつお含み置きの上、よろしくお付き合いのほどを願い上げ奉りまする。
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