2009.09.13 日曜日 22:38
韜晦としてのマイブーム
先週半ば、ふと思い立って立川の某研究機関に行ったら旧館で○| ̄|_、やむなく一駅中央線に乗り、一橋の図書館で待望の史料と対面しました。中央線沿線に二ヶ所、しかも最寄り駅がすぐ隣という立地の機関にその史料は所蔵されていたために、朝から特急を使っての移動が無駄にならずにすみました。一橋ではコピーも許可になり、必要な箇所をコピーして持ち帰り、じっくり検討することが出来ました。そう、これで良かったのです。北海道には行けなかったけど・・・・(ToT)。
その日は地下鉄の遅れにもめげず、国立から竹橋に進出し(別に近衛師団にどうこうといっているわけではなく)、公文書館で追加の史料をゲット。最後に三田に廻って若干の用事を済ませ、楽しいデパ地下も秋葉も無視して甲府に戻りました。どうやら後期の勤労意欲を使い切ったようです。
『官僚たちの夏』にはまっている。惰性で大河を見た後、背筋を伸ばして官僚たち・・・、というパターンがすっかり確立した。城山作品に描かれる男たちの、凄すぎる生き様に惹かれるのだ。司馬の描く英傑たちよりも、城山の世界の政治家、官僚、経済人の方がより人間らしく、より凄味のある生き方をしたようにさえ感じる。美化しすぎという批判は当然にあるが、これはドラマなのだから、読ませる工夫があってしかるべきであり、それぞれの「道」なり「生き様」なりを貫く一徹さをデフォルメするのも、存分に「あり」だと思う。
今日の放送分で、主人公の風越(モデルは元通産次官の佐橋滋)が、国会の委員会審議で答弁に立ち、社会党と覚しき野党議員を怒鳴りつけるシーンに、溜飲の下がる思いがした。このドラマでは、55年体制確立から、怒濤の勢いで進む戦後日本の復興・発展のために命を削った官僚、政治家たちが英雄であり、汗をかかない、苦悩しないものは大部屋の切られ役でしかない。発展とそれに伴う歪みとは単純な二択で処理できない。視聴者が画面を通じて疑似体験する苦しさ、閉塞感は、熱血官僚と口先だけの議員というわかりやすい勧善懲悪を並べることで更に際だち、またガス抜きされる。
かつて官僚は、これほど熱かった。その官僚の知恵と力を極限まで引き出し、復興後の新生日本を描き出す政治家も熱かった。そう思わせるドラマである。翻って、いま官僚は熱くないのか。不祥事、私曲ばかりが喧伝されるが、国のために命を削るような熱い官僚が絶えてしまったとは思えない。駄目な政治家は新聞を見ればいくらでも上げられる。だが、優秀な官僚を超える知力と胆力の備わった政治家がいなければ、幾度与党が変わっても、国は良くならない。
55年体制が崩壊し、官僚批判を看板にした政権が発足する時、このドラマの問いかける意味は自ずから重い。
その日は地下鉄の遅れにもめげず、国立から竹橋に進出し(別に近衛師団にどうこうといっているわけではなく)、公文書館で追加の史料をゲット。最後に三田に廻って若干の用事を済ませ、楽しいデパ地下も秋葉も無視して甲府に戻りました。どうやら後期の勤労意欲を使い切ったようです。
『官僚たちの夏』にはまっている。惰性で大河を見た後、背筋を伸ばして官僚たち・・・、というパターンがすっかり確立した。城山作品に描かれる男たちの、凄すぎる生き様に惹かれるのだ。司馬の描く英傑たちよりも、城山の世界の政治家、官僚、経済人の方がより人間らしく、より凄味のある生き方をしたようにさえ感じる。美化しすぎという批判は当然にあるが、これはドラマなのだから、読ませる工夫があってしかるべきであり、それぞれの「道」なり「生き様」なりを貫く一徹さをデフォルメするのも、存分に「あり」だと思う。
今日の放送分で、主人公の風越(モデルは元通産次官の佐橋滋)が、国会の委員会審議で答弁に立ち、社会党と覚しき野党議員を怒鳴りつけるシーンに、溜飲の下がる思いがした。このドラマでは、55年体制確立から、怒濤の勢いで進む戦後日本の復興・発展のために命を削った官僚、政治家たちが英雄であり、汗をかかない、苦悩しないものは大部屋の切られ役でしかない。発展とそれに伴う歪みとは単純な二択で処理できない。視聴者が画面を通じて疑似体験する苦しさ、閉塞感は、熱血官僚と口先だけの議員というわかりやすい勧善懲悪を並べることで更に際だち、またガス抜きされる。
かつて官僚は、これほど熱かった。その官僚の知恵と力を極限まで引き出し、復興後の新生日本を描き出す政治家も熱かった。そう思わせるドラマである。翻って、いま官僚は熱くないのか。不祥事、私曲ばかりが喧伝されるが、国のために命を削るような熱い官僚が絶えてしまったとは思えない。駄目な政治家は新聞を見ればいくらでも上げられる。だが、優秀な官僚を超える知力と胆力の備わった政治家がいなければ、幾度与党が変わっても、国は良くならない。
55年体制が崩壊し、官僚批判を看板にした政権が発足する時、このドラマの問いかける意味は自ずから重い。
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