2008.08.04 月曜日 22:07
新盆
未明に激しい物音で目が覚めた。『ザー』ではなく『ドドドドド』という、低い周波数の振動を伴った轟音。天の底が抜けたような土砂降りに雷鳴が交じっていると気づくまで、しばらくかかった。
まだ暗いが、窓を閉めないと不都合だな、などど思っていると、近くで猫の声が。多分四女の声だ。ベッドの下で鳴いても滅多に上がってこない。手を伸ばそうとしたら、部屋のドアが開いて母が入ってきた。「何かあったか?」と問うと、「茶々(末っ子)が窓の外にいるらしい」との返事。庭の木から庇に上がり、雨のせいで下りられなくなったようだ。庇の上の窓を開けて家に入れ、乾いたタオルでぐりぐりと拭いて一件落着。
一年以上患った母も大分落ち着き、予想通り猫を中心の日常が続いている。何年も、父の看護だけを考えていた母は、自宅の5匹、母の実家の2匹、外に数匹の食客猫の面倒を見ることで、大きなすき間を埋めているのだろう。
今日は昼前から、当地の風習に従い、新盆に詣でなければならないとされている古刹に参った。平日だが結構な数の参拝客がいる。母も私も30数年ぶりの参拝で、作法も仕来りも覚えておらず、香を焚いて手を合わせるだけで出てきた。
車でなら、ちょとした遠出もできるくらい回復した母が、ある地名をあげた。かつて父が好きだった蕎麦の名所だ。一も二もなくその場所に向かう。何件か蕎麦屋が集まった一角で、何故かいつも入る一件の店。名物に美味いものなし、とはよくいったものだが、父と行く度に必ず食べた品を端から注文する。けっして美味い料理ではない。だが、父と他愛もない話をしながら啜った蕎麦の味だった。
まだ暗いが、窓を閉めないと不都合だな、などど思っていると、近くで猫の声が。多分四女の声だ。ベッドの下で鳴いても滅多に上がってこない。手を伸ばそうとしたら、部屋のドアが開いて母が入ってきた。「何かあったか?」と問うと、「茶々(末っ子)が窓の外にいるらしい」との返事。庭の木から庇に上がり、雨のせいで下りられなくなったようだ。庇の上の窓を開けて家に入れ、乾いたタオルでぐりぐりと拭いて一件落着。
一年以上患った母も大分落ち着き、予想通り猫を中心の日常が続いている。何年も、父の看護だけを考えていた母は、自宅の5匹、母の実家の2匹、外に数匹の食客猫の面倒を見ることで、大きなすき間を埋めているのだろう。
今日は昼前から、当地の風習に従い、新盆に詣でなければならないとされている古刹に参った。平日だが結構な数の参拝客がいる。母も私も30数年ぶりの参拝で、作法も仕来りも覚えておらず、香を焚いて手を合わせるだけで出てきた。
車でなら、ちょとした遠出もできるくらい回復した母が、ある地名をあげた。かつて父が好きだった蕎麦の名所だ。一も二もなくその場所に向かう。何件か蕎麦屋が集まった一角で、何故かいつも入る一件の店。名物に美味いものなし、とはよくいったものだが、父と行く度に必ず食べた品を端から注文する。けっして美味い料理ではない。だが、父と他愛もない話をしながら啜った蕎麦の味だった。
comments